マラリアに倒れる
急に頭がくらくらし、目の前が真っ暗になりました。
気がついたら食堂で気を失ったために倒れていました。
アフリカに行く上で、一番不安だったのはやっぱり健康上の問題です。
絶対に下痢にはなると思いました。
とにかく生水は飲まないぞ、と心に決めました(実際は飲みましたが)。
なので、ソーダをよく飲んでいました。
ソーダは日本でもお馴染みのコカコーラ、スプライトなどもあります。
一番センセーショナルだったのは「ファンタ・パッション」です。
お馴染み炭酸飲料のファンタのパッションフルーツ味です。
これがおいしい。
微妙で心地よい酸っぱさと程よい甘さ。
もし、ケニアにあって日本にないもので、
日本で何か商品価値を持つようなものがあるとしたら、
間違いなくこのファンタ・パッションでしょう。
アフリカに行かれる方、ぜひ探してみてください。
話が脱線しました。
とにかくアフリカは感染症の宝庫です。
病気に免疫の一切無い大都会東京人である管理人にとっては脅威です。
下痢はしませんでした。
多少柔らかくなったりはしましたが、腸は正常に活動を続けました。
ただ、マラリアに感染しました。
ちょっとマラリアについて説明します。
マラリアはハマダラ蚊というマラリア原虫を持った蚊に刺されると感染します。
ハマダラ蚊のすべてがマラリア原虫を持っているわけではないのですが、
マラリアが流行している地域ではその確率も高くなります。
ハマダラ蚊は夕方から明け方にかけて行動するため、生活に蚊帳は欠かせません。
運悪くマラリア原虫を持った憎きハマダラ蚊に刺されたひとは、
まず38度以上の高熱を断続的に繰り返します。
それに伴い、のどの痛みや間接痛などを併発することがあります。
ということで、聞くだけでも恐ろしい病気ですね。
なので、マラリア対策には万全の備えをしました。
虫除けスプレーに蚊取り線香。
そして、切り札的な存在として登場したのが「メフロキン」という予防薬です。
なんと、マラリア予防率95−98%という魔法の薬。
これさえ飲めば絶対に大丈夫だろう。
と、メフロキンを飲むことによって、ハマダラ蚊対策を怠りました。
現地入りしてから3週間目、のどが痛いのと、鼻水、咳がでました。
体温を測ってみると39度。
まぁ、カクマの気温自体40度に手が届くような土地なのですが。
風邪引いたなぁ、と思い、病院で薬をもらうことに。
そういえば、前日に突然の雨が降り、雨にぬれたのがいけなかったか、と。
難民キャンプの外、カクマ市内にあるカクマホスピタルへ。
ケニアもエイズが猛威を振るっているらしく、
病院内にはエイズ検査を訴えるポスターがいたるところに。
これは、ちゃんと注射針交換してもらわないと、とんでもないことになるなぁ、
そんなこと考えつつ、びくびくしていました。
簡単に症状を訴え、血液検査。
すると、診断結果は「マラリア +」とのこと。
びっくりです。
マラリアだったらもっと苦しむのかと思っていましたが、
意外とただの風邪と大して変わりません。
予防薬のメフロキンを飲んでいたため、
それが症状をおさえていたせいなのかもしれません。
マラリアの治療薬をもらい、それを服用すると、
「きつい薬なのでこれを飲んだら絶対に外へ出るな」と言われました。
結局、外へ出ました。
試合はしなかったものの、ちょっとバスケもしました。
その晩、いつもと変わらず食事をとっていました。
デザートをとりにいこうと思って席を立った瞬間、
急に頭がくらくらし、急激な吐き気がし、
目の前が真っ暗になりました。
気を失って食堂で倒れたのです。
たくさん人がいたのでよかったです。
そのなかには医療の仕事に従事するIRCのスタッフもいたので尚更です。
目を明けると、まわりにたくさんの人がいて、
「大丈夫か?大丈夫か?」とたずねていました。
あ、オレ意識失ったんだ。このときやっと状況に気付きました。
「安楽な姿勢とらないと」と考えるところはさすがにホームヘルパー。
意識不明時の心配蘇生法とか仕事でやっていたけど、
まさか自分が意識を失うとは思ってもいなかったです。
結局、ベッドで休んだのですが、すぐに回復しました。
やっぱり相当きつい薬だったようです。
一晩休んだその後はマラリアの症状も見られず、熱も下がりました。
みなさん、強い薬を飲んだあと、外出は避けましょうね。
難民キャンプの外、カクマ市内にあるカクマホスピタル。ここで検査をしました。