難民キャンプの商店街
カクマには難民キャンプとはとても思えないような商店街があります。
メインストリート沿いに建ち並ぶ商店は
雑貨屋、衣料品店、レストラン、床屋、食料品店、など。
商店に来る顧客は当然同じキャンプに暮らす難民。
みなお金を持っているわけではないので、小額の商品を中心に販売しています。
それも生活に必要な必需品などが中心です。
雑貨屋においてあるもので言えば、
牛乳、タバコ、石鹸、ジュース、ペン、ロウソク、食器、乾電池など。
コンドームも置いてありましたが、
学のある人間じゃなきゃ買っていくことはない、ということです。
それでも高価なものではラジオ、自転車なども販売しています。
貴重な移動手段である自転車はかなり高価で1万4千円くらいします。
コミュニティごとに特色が見られます。
たとえばソマリア人コミュニティにあるマーケット(ソマリアマーケット)には
ソマリア女性が身にまとうような布などが衣料品の中心として販売され、
エチオピア人のコミュニティにあるマーケット(エチオピアマーケット)では、
衣料品の中心はTシャツなどです。
もっと顕著に特色が現われるのがレストランなどにおける食事になりますが、それに関してはまた別に。
中には変わってお店もあって、紹介すると、
○衛星放送屋
主にイングランドのサッカーの試合やBBCニュース、音楽番組などを放送しています。
一時間に5ケニアシリング(およそ10円)を払ってみんなで鑑賞します。
オーナーが衛星放送受信料を払って放送を受信しています。
○ビデオ屋
中古のビデオなどを買いつけたり、レンタルなどして仕入れ、それを放映しています。
ジャッキー・チェンなどのアクションものに人気があるようです。
○写真屋
カメラは貴重品ですが、キャンプのひとはみな写真好き。
難民の家に遊びに行くと必ず最初にアルバムを見せてくれます。
でもさすがに怖くて現像は頼めませんでした。
○ビリヤード屋、卓球屋
仕事もなく、日中時間を持て余している難民。
こういった娯楽が果たしている役割は大きいです。
一日中店先でトランプしている人も結構います。異様な雰囲気です。
○電話屋
これはおそらく違法なものなのでしょうが。
衛星電話を使用して、世界中と通信できます。
1分150ケニアシリング(300円ほど)。高い。
それでも電話線の引かれていない難民キャンプにおいて、需要は非常に高いです。
3回ほど使わせていただきました。
戦争が起こり、難民が生まれます。
その現象を見て、サポートするための政策が必要だ、と考える人がいます。
それとは別に、難民が生まれ、キャンプにはたくさんの人が集まるわけで、
それを大きなビジネスチャンスだととらえる人もいます。
たくましいですね。
メインストリート沿いに建ち並ぶソマリア人マーケットの様子。
エチオピアマーケットにある衛星放送屋の前。
サッカープレミアリーグの試合を衛星生中継。