バスケットボールコートにて
自分が実は学生時代バスケをやっていたという事実は、
あまり知られていないようで、まぁ別に同でもいいことなのでしょうが・・・。
難民キャンプではバスケをやっていました。毎日のように。
もし、難民キャンプで何をしてきましたか?と聞かれたら、間違いなくこう答えるでしょう。
「難民の若者と一緒にバスケしてました。」
夕方の4時くらいを過ぎると、どこからともなく若者たちがバスケットコートに集まってきます。
ゾーン5のバスケットコートはエチオピアコミュニティ内にあり、
地面にでこぼこも少なく、リングもしっかりついています。
バスケのレベルに関しては日本の高校生の標準レベルよりも少し下くらいでしょうか。
しかし、驚異的なのはスーダン人。
何しろでかい。
190cmくらいの身長はざらにいます。
まともにシュートにいこうとすると簡単にブロックを食らいます。
ただ、フェイク(シュートフェイント)を一発かければ大概は引っかかってくれるのが救いです。
ここではダンクができるのが常識。
ただし、ダンクをするとリングがすぐに壊れるので禁止されています。
みな、個人技術は素晴らしく、3対3などはかなり見ごたえあります。
ただ、試合形式のオールコートの5対5になると、ばらばらです。
組織的な取り決めなどがほとんどなく、個人が好き勝手にシュートを打ちます。
システマチックな日本の高校バスケ育ちの管理人から見ると衝撃的ではありますが、
フラストレーションもたまります(笑)。
キャプテンのマリエル、速攻に走るエースのベンベン、
リバウンドに強い「トールマン」ジェイコブ、
ボールを持ったら意地でもシュートにいこうとするボリオ、みんな個性的で面白かったです。
しっかりした取り決めや協調性が生まれれば、いいチームなんだろうけれど。
やっぱりちゃんとしたコーチがいないから仕方ないのかもしれないのですが。
日本でバスケットボールをひとつ買ってキャンプに持っていきました。
ぼこぼこのコートに、すぐにパンクしてしまいましたが。
カクマを発つ前日、お別れゲームを企画してくれました。
自分ともう1名、体力のない日本人は休みがちながらプレーしました。
日本人がゴールを決めるごとに会場からは歓声。
15分くらいプレーし、4ポイント、だったかな。
最後に、テープレコーダにみんなの声を録音しました。
NBAに行きたいんだと夢を語る若者もいれば、思い出を語るのもいます。
その声に悲壮感は感じませんでした。
彼らはでこぼこのこのコートで夢を見つけ、自己実現を手にしています。
難民であると同時に、僕らと同じ一個の人間であって、
このコートには、その環境の違いや、ナショナリティの違いもありません。
バスケットボールというひとつのルールの中にいて、対等な存在として向き合えます。
少なくとも、このコートにいる間は。
ボールを持ったら必ずシュートを狙うのがアフリカ流。
ゾーン5チームとの集合写真。中央下やや左にいるのが管理人。どうでもいいか。
あんまり見ないで。