ノリアキカップとサッカー熱
カクマのサッカー熱は相当なものです。
キャンプの若者の多くは時間を持て余しているので、サッカーは最大の娯楽でもあります。
衛星放送でイングランドプレミアリーグの試合が放送されるとなると、
衛星放送屋はいっぱいに埋まります。
特に人気があるチームはどうやらアーセナルのようです。
同じアフリカ人であるナイジェリア代表FWヌワンコ・カヌ選手がいることも人気の大きな要因でしょう。
この選手、心臓病を克服したという経歴も持っており、
そんな話をしたら長くなりそうなので、とりあえずこのへんで置いておいて。
ちなみに、同チームに所属する日本人、稲本純一選手の知名度は残念ながらいまひとつでした。
日本で開催されるワールドカップには東アフリカの国はひとつも参加しないのですが、
それでもワールドカップへの関心は非常に強かったです。
今回のワークキャンプのプロジェクトのひとつは
サッカー大会を開催することでした。
昨年7月に交通事故でなくなった難民キャンプの現地スタッフ、
高村憲明さんを追悼するサッカー大会です。
カクマには、
オランダオリンピック委員会Netherlands Olympic Committee(NOC)の事務所があり、
NOCが中心となってスポーツプログラムなどを運営しています。
サッカーだけではなく、バスケットボール、バレーボールなど様々なプログラムが行われています。
NOCの協力を得て、ノリアキカップを開催することができました。
大会は、高村さんの影響をもっとも色濃く受けているだろうといわれている
16歳以下(14歳から16歳まで)の少年たちの大会として、3月16,17日に開催されました。
カクマの各ゾーンから選抜チームが集まり、カクマのローカルチーム(難民でなく現地民)を含め、
計9チームでのトーナメントが行われました。
会場には子供たちを中心にギャラリーが集まり、
選手たちも精一杯のプレーで勝利を目指しました。
その日、水色のTシャツを着ていたため、
「うちのチームに何かアドバイスをしてくれ!!」と、
水色のユニフォームのチームに頼まれました。
そのアドバイスの効果があってか、水色チーム(カクマゾーン6)は準優勝しました。
カクマでは大きなサッカー大会が開催されるたびに暴動が起きるということです。
準決勝は両試合ともPK戦に突入したのですが、
PKを一本蹴るごとに周りのギャラリーが乱入する大変な騒ぎとなり、
決勝戦の開催も危ぶまれたのですが、
決勝も無事に行われ、カクマのゾーン2チームが優勝しました。
優勝チームと準優勝チームには記念のボールが贈呈され、
MVPに選ばれた選手には、日本から持ってきたお祭り用のハッピ(一番と書いてあります)が贈呈されました。
何しろ、無事に大会が終了してよかった。
ちなみに、サッカーのレベルは日本の中学生のほうが上です。たぶん。
記念すべきノリアキカップの開幕戦。
準決勝はPK戦にも連れ込んむ熱戦。
ヒートアップした観客は時として暴徒となります。