WORKU AZENEとエチオピアホテル
ウォルクはキャンプでもっとも親しくなった友人です。
エチオピア人で、現在難民スタッフとしてIRC(難民医療を担当するNGO)で細々と働いています。
コミュニティを歩いているとき、呼び止められ
一緒にエチオピアホテルというレストランに行って以降、
かなり長い時間を共有しました。
向学心が強く、9カ国語が話せますが、そのほとんどはキャンプで身につけたものだそうです。
時折、いたずら好きの子供みたいに笑ってはしゃぎます。
この難民キャンプにきたのが8年前、難民としてカクマで生活し、
3ヶ月後にはカナダに移住することが決まっています。
大学に行き、卒業したらエチオピアに戻るんだ、と夢を語っています。
アフリカから欧米の大学に進学するひとのほとんどは
卒業後もそのままその国に滞在して働くことを望みます。
けれど、ウォルクが母国に対して強い思いを持っているのは、
難民として母国と離れているからこそなのかもしれません。
いろんな話をしました。
エチオピアについて、世界について、酒について、女について。
エチオピアホテルで毎日のように顔を合わせました。
ある日、どうしてアフリカにはこんなに紛争や混乱があるのか、聞いてみました。
ウォルクは「アフリカでは誰もが一番になりたがるんだ」と答えました。
暴走した個人のエゴが社会を動かし、紛争を生むのがアフリカの社会なのかもしれません。
でも、「俺はそれを望まない」と言いつつ、
「10年後はおれはエチオピアの首相になるんだ」なんて言ってみせるウォルク。
やっぱりエチオピア人だなぁ。。。
この世界に生きて、「わかちあう」ということの大切さについて、何度も話し合ったりしました。
チェキ(ポラロイドカメラの)が気に入ったらしく、
できた写真を大切そうに持っていました。
最後にあった日。
一緒に酒を飲み(その後でバスケに行ったのですが、へろへろでした)、
しょっちゅう人に時間を聞くウォルクに、腕時計をプレゼントしました。
使いこなせるかどうかはわかりませんが。
お返しに鎖状の首飾りをもらいました。
やっぱり、アフリカ人。光り物は大好きなようです。
このウォルクなんですが、詩人でもあります。
UNHCRのページに公開されていた彼の詩です。
もしよかったらご覧ください。
The Room is Boring.
ウォルクです。ふけて見えますね。でも、まだ若いんです。
エチオピアホテルにて。ウォルクと店の客、マスター。