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サービス情報公表制度、4月から掲載内容拡充
介護サービス情報公表制度が4月から変わります。
厚生労働省は今年4月の介護報酬改定を機に、施設・事業所が「介護サービス情報公表システム」へ掲載すべき情報の幅を広げる。
職員が研修を受講しているかどうかなど、認知症の高齢者を支える技術を高める取り組みについて新たに公表を求めていく。
今年度内に通知を改正し、来年度からのルール化に踏み切る。施設・事業所を選ぶ利用者の利便性を改善すること、認知症ケアの質の向上につなげることが狙いだ。
そもそも情報公表制度の埒外にある居宅療養管理指導を除き、全てのサービスがこの見直しの対象となる。今回の改定に向けた検討を重ねてきた審議会で方針が決められた。
厚労省は現在、通知改正に向けた事務的な準備を進めている。
例えば、認知症介護指導者研修、認知症介護実践リーダー研修、認知症介護実践者研修を受けた職員の人数、その他の研修の実施状況などを掲載してもらう考え。「全ての事業者で、行動・心理症状(BPSD)も含め対応力の向上が求められている。各事業所の取り組みを利用者が確認できるようにする」などと説明している。
やれやれ。
介護サービス情報公表制度については事業所からも不満が多い制度として名高いのですが、ここでまた制度変更が行われます。
介護サービス情報公表制度についておさらいし、問題点についてお伝えします。
介護サービス情報公表制度とは
これまでもこのブログで介護サービス情報公表制度について紹介してきました。
サービス情報公表システム利用者数の少なさ、
利用者がアクセスしにくいサイト構成、
調査内容のわかりにくさ、
調査員が事業所を訪問して調査するのに対応する時間の浪費、
項目を入力するだけなのに発生する手数料、そして手間、
高すぎる手数料。
山ほど問題点が噴出するサービス情報公表制度。
実地指導でも監査でもないのに、上から目線でものを言う調査員。
サービスの透明性を保ち、利用者が選択するための情報を公開する仕組みという位置づけはわかります。でもね。
調査項目を入力していけば、事業所の運営に欠けている部分や、取り組むべき課題がわかるという意見もわかります。
でも、それ事業所自己評価をすればいいだけなんじゃないかと思うんですけど。どうなんでしょう。
スマホアプリ「介護事業所ナビ」なんてのも作ったものの
介護サービス情報公表システムの情報をスマホアプリにした「介護事業所ナビ」なんてのを厚生労働省が作っているようですが、果たしてどれだけの人がダウンロードしていますか?playストアを見る限り、6年やっていて、5,000です。たったの。
これのために、どれだけの税金をつぎ込んだんですか?
介護が必要で困っている人がアプリをダウンロードするというひと手間加えてまで事業所検索をすると思いますか?
怒りしか覚えません。
廃止論や手数料撤廃論が生まれては消える不思議な制度
これまでも、制度そのものが不要なんじゃないか。手数料を事業所からとるのはおかしいんじゃないか、という意見が何度も上がりました。
あれですね、いわゆる「みかじめ料」です。
行政ヤクザです。
課題は満足に活用されていないこと。公正取引委員会が利用者や家族を対象に行った調査によると、実に92.5%が「使ったことがない」「わからない」と答えていた(昨年9月公表)。このため、種々の情報を報告する義務を負う現場での評判は総じて悪い。国会や審議会などでも度々批判されており、「いっそ民間に任せたほうがいい」といった厳しい指摘もなされてきた。
しかし、そのたびに意見は揉み消され、さらに掲載する情報は拡大されてきた介護サービス情報公表制度。
なぜ制度がつぶれなかったのか。
厚生労働省の外郭団体、天下り先という利権を守るための何らかの力が働いているんでしょう。
ちなみに、この制度の予算額、知ってます?
この制度の平成29年度の予算額は95,000,000円です。
1兆円近いお金が費やされているんですよ。
見れば見るほど怒りがこみあげてくる情報公表制度。
民間がやったらどうなったか
この制度、民間にやらせたらどうなんだという意見があります。
実際、似たことをすでにやっています。
AIケアプランソフトを開発しているウェルモではミルモネットというサイトをスタートしています。これがすごい。
まだ全国が対象になっているわけではありませんが、介護サービス事業所の情報を調査。実際にウェルモのスタッフが足を運んで写真を撮ったり、情報を掲載しています。
そして、ミルモブックという冊子になってケアマネ事業所にも届けられます。
必要な情報が整理されているし、比較もできる。
これらの情報をAIケアプランソフトと連動させることで、ケアプラン作成の際にサービス事業所の候補としてピックアップされるのです。
調査して公表するだけの情報公表制度とは大きな違いです。
もちろん、事業者の自己負担も手間もありません。重箱の隅をつつくような質問をされて、調査員に文句を言われることもありません。
もう、情報公表制度は廃止して、ミルモネットを一般公開すればいいんじゃないかと思うんですけど。
事業所がホームページを持つこと
大事なコンセプトとして、事業所が情報を広く公開すること。これはわかります。
いまだにホームページを持っていない事業所も多いのが現実です。
でも、事業所側が周知したい内容と、情報公表制度の情報はマッチしていないのが現実問題としてあります。
だったら、この情報公表制度に費やしてきた莫大な予算を、事業所のホームページ制作のための補助金に充ててやればいいんじゃないかと思うんですよね。
ホームページ上に掲載してほしいという情報があれば、補助金を出すための条件として、これとこれを記載してくださいという条件をつければいい話じゃないですか。と、ホームページ制作業者としては思うわけですよ。
先日の新型コロナウイルスの通知アプリCOCOAのこともそうですが、厚生労働省はシステムを作るとか、アプリを立ち上げるとか、まったくその手のことに成功したためしがないんじゃないかと思うんですよね。
ちなみに、4月から追加される項目って
4月から何が追加されるかっていうと、
認知症介護指導者研修、認知症介護実践リーダー研修、認知症介護実践者研修を受けた職員の人数
苦笑。
平成30年のデータですが、認知症介護指導者養成研修の修了者、東京都でも累計で101人しかいないんですよ。
グループホームなんかではサービス計画作成担当者になれるということで、積極的に受講させることはあるかもしれませんが、訪問介護サービスなどでこれを受講させるメリットも限られるし、事業所側はその費用を出すことはできないですよ。
全サービスっていうと、訪問看護とか訪問リハビリテーションにもこの人数を提出させるんですかね。まったくもって馬鹿げていますね。この受講人数がいないとレーダーチャートで研修受講に力を入れてないとか表示されるんですかね。
馬鹿馬鹿しいですよ。
認知症介護指導者研修とかって、認知症介護研究・研修センターの研修で、結局厚生労働省が設置した天下り先ですよ。
天下り先の調査内容を変更して、別の天下り先の研修受講者を増やそうとしているということですよ。えげつな。
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