この記事の目次
財務省は介護サービスの価格競争を期待
正直、値下げしたかったらメルカリでもやってろ、と言いたくなります。
先月もお伝えした、財務省の提言。財務省側はまったくあきらめる様子はないようです。
令和時代の財政の在り方に関する建議
財務省は6月19日に行われた「令和時代の財政の在り方に関する建議」の中で、 「民間企業の参入とサービス価格の透明性向上・競争推進(在宅サービスの在り方の見直し) 」として、介護サービスの価格競争を促進するようケアマネジャーに求め、利用者負担などの適切な情報提供を行わなかった居宅介護支援事業所を減算するとまで言っています。
ケアマネがちゃんと情報提供しないから価格競争が起こらず、それが財政を圧迫しているんじゃないかと。また出ましたね、ケアマネが諸悪の根源説。
じゃあ、医療はどうなの?
じゃあ、医療はどうなんでしょう。
診察の前に今日の診察はいくらかかりますよ?採血したいんですけど自己負担いくらかかるんですけどいいですか?あ、文書料って訪問看護の指示書を更新するんで(三か月前に出したのをまたコピペして出すだけですけどね)お金とりますよ、って、説明してますか?会計窓口に進むまで自分の受けた医療にかかる費用をアナウンスされたことがありますか?
そして、医療が値引きしますか?これから心臓バイパス手術しますけど、今だったら値段安くしておきますよ。あっちの大学病院よりも安く手術できますから、ね? なんて言われて安心して手術を任せられますか?一円でも安い方を選ぼうと思いますか?
医療は価格競争も費用についてのアナウンスもしないけれど、介護では価格競争を義務づけるっておかしくないですか?
日本介護支援専門員協会も反論
これには日本介護支援専門員協会も反論。そりゃ怒って当然でしょ。
複数事業所を示したとしても、財政制度審議会・財政制度分科会で考えられているような、公定価格の介護報酬において利用者に有益となる価格競争はおきないと考えることから、現場職員からのヒアリング等を通じ、実態を踏まえた慎重な検討をすべきと考えます。
サービス価格の透明性向上・競争推進(在宅サービスの在り方の見直し)についての意見表明( 一般社団法人日本介護支援専門員協会 )
価格競争が起きる起きないというよりそれ以前の問題ですよね。
加算を取得しているということは、サービスの質を担保するための取り組みをしていることに対する評価であるということを財務省は完全に無視しているんですよね。
日本介護支援専門員協会もアンケートを取って、価格がサービス選択に大きな影響を与えないと反論していますが、ケアマネにアンケートを取るより利用者や利用者家族にアンケートを取ってもらいたいですけどね。
何度も言う。介護サービスに価格競争は起こらない。
価格競争が起きないというか、事業所はどんどん閉鎖していくので、きっと価格競争が起こることなんてありえなくなるでしょうね。体力のある大手企業が残るんでしょう。
安いサービスを選びたいだけであれば、デイサービスに行かずに100円や200円で参加できる老人会やサロンに人がもっと集まるでしょう。
どうでしょう、みなさんの地域の老人会には人が集まっていますか?集まるところは集まっているかもしれませんが、老人会にはいきたくないという人も多いし、集まる人はますます高齢化して前期高齢者の参加はほとんどなく、担い手も確保できないというところも多いんじゃないでしょうか。
値段が高くても、利用者も家族も、納得して通う理由がデイサービスにはあります。
最近のコメント