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特別養護老人ホーム入所者が包丁で介護職員の首を切りつける。
12日昼すぎ、広島県廿日市市の高齢者介護施設で、入居する高齢の男が職員を刃物で切り付けた。警察は、殺人未遂の疑いで男を現行犯逮捕した。
事件があったのは、廿日市市津田の高齢者介護施設「さいきせせらぎ園」。警察によると、午後1時すぎ、施設に入居する男(84)が、男性職員(45)の首を包丁で切り付けた。男性職員は病院に運ばれたが、意識はあるという。
近くのキャンプ場職員「信じられんですね。こんな身近でそんなことが起こるのかと思いますね」
警察は、殺人未遂の疑いで無職の井元孝二容疑者(84)を現行犯逮捕。調べに対して井元容疑者は、「殺そうとして包丁で切り付けたことは間違いありません」と容疑を認めているという。
警察が、さらに動機を調べている。
特養に入所している男性が職員を包丁で切りつけるという事件です。
午後一時という施設では昼食後の時間でしょう。
包丁を首で切りつけ、さらに容疑者本人も「殺そうとして包丁で切りつけたことは間違いありません」と、
殺人を意図して行ったことを認めているということです。
近くにはキャンプ場もあるなど自然豊かな恵まれた環境、
そんな昼下がりに特別養護老人ホームでこんな事件が起こることなど誰も予想できないでしょう。
これが初めてではない、入居者による介護職員の殺人未遂
こんな事件があったことを記憶している人いませんか。
特別養護老人ホーム入所中の男性が介護福祉士の女性をハサミで刺すという事件がありました。
これが今年の5月の事件です。
夜勤中の介護職員を狙い、ハサミを介護職員の左胸に突き刺すという事件でした。
この事件の容疑者は84歳の入居者で重度な認知症であるという情報もあります。
信じられないことかもしれませんが、
特別養護老人ホーム入所者が介護職員を刃物で襲い重傷を負わせる、
そんな事件が半年あまりで二件も起きている、
これはあり得ないことではないのです。
介護職員が自らの命を守るために
利用者を守ることが介護職員の役割です。
きっと誰もがその責務を自覚し、
利用者の生命を・権利を守ろうと日々業務を行っているものと思います。
ただ、
介護職員は自らの命を護ることも必要です。
介護職員の多くは責任感が強く思いやりがあり、
ややもすると自己犠牲に走りやすい性質を持っています。
過剰労働や腰痛などの労働災害などが起こりやすいのも、
そういった背景があるのかと思います。
利用者を守ることも大事ですが、
介護職員は自分を守ることも忘れてはいけません。
多数の利用者が共通するスペースの中で生活を共にする特別養護老人ホーム、
何が起こるかわからない環境であることを理解していなければいけません。
刃物の取り扱いに注意を
今回は包丁が凶器として使われました。
午後1時ということで、
午後のレクで調理をする予定で包丁を出していたのでしょうか。
それとも調理場から利用者が包丁を取り出したのでしょうか。
いずれにしても、刃物の管理は気を付けなければいけません。
容疑者は認知症なのか?
今回の事件で、
5月に起こった事件と決定的に違うことは、
容疑者が殺人未遂について、その容疑を認めているということです。
認知症であったのかどうかはわかりませんが、
少なくとも人を殺すことを意図して計画的に行った犯行であって、
その容疑について理解し、認める能力はあるということです。
考えてください。
自分が担当している利用者が
自分の命を狙って殺人の計画を立てている。
こんな環境で仕事をするなんてことできますか?
そもそも、それに見合った報酬を受け取っていますか?
介護の現場に外国人を、というけれど
また別の機会にこれも記事にしたいと思っていますが、
出入国管理法改正案について、介護分野では5年間で5万人の外国人を受け入れようとしています。
介護の仕事は単純労働だから外国人をあてがえばいいだろう、なんて
そんな単純な話ですか?
介護職員は足りなくなったら外から連れてくればいい使い捨てですか。
介護5年で最大6万人の外国人受け入れ 法務省が規模提示
なんで人手不足なのか、根本はそれに見合った報酬を受け取ることができないからです。
介護報酬は国がコントロールし、現在の低賃金の状況を意図的に作り出しているのです。
今回の改正案で、5万人外国人介護職員を受け入れたとしても、
厚生労働省が2025年の見込み数として算出した介護職員の必要数は245万人。
2016年度時点で189万8760人しかいない介護職員。
6万人を外国人労働者で補ったところで、まだ50万人介護職員は不足するんですよ。
だって、そうでしょう。
こんなリスクだってあるのに介護職員はそれに見合った給与を受け取れていますか?
胸張って介護の仕事を誇れる仕事にしていかなくちゃいけないじゃないですか。
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