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生活保護世帯にエアコン購入費=上限5万円、熱中症対策-厚労省
厚生労働省は27日までに、熱中症対策のため、今年4月から生活保護受給を開始した世帯のうち、高齢者や子どもがいるなど一定の要件を満たせば、5万円を上限にエアコンの購入費用の支給を認めることを決めた。
生活保護受給世帯は原則、生活費をやりくりして必要な日用家具などを調達している。ただ、受給を始めた直後や災害時などは、炊事用具といった生活に必要な家財がない場合もある。その際国や自治体は、上限額を設けて購入費用を支給している。
厚労省は全国で熱中症による死者や患者の報告が相次ぐ中、予防策としてエアコン購入費についても新たに支給を認めることにした。
対象は、自宅にエアコンがなく、高齢者や子ども、障害者、体調が優れない人など「熱中症予防が必要とされる人」がいる世帯。今月から運用を始めた。
生活保護世帯で、エアコンを購入できず、熱中症のリスクが高いというケースは非常に多く、
ケアマネやヘルパーも水分摂取などを勧めたり、安否確認を行ったりすることもあると思います。
部屋にエアコンがへいていても、エアコンの風に弱いから、と
サウナ風呂のような室内でもエアコンのスイッチを入れない方もいたりします。
高齢者は温度の変化も感じにくく、体内の水分量も少ないので熱中症のリスクが極めて高いということは皆さんご存知のことかと思います。
これは都道府県別の搬送者数について前年比のグラフですが、
一週間で22,647人も熱中症で救急搬送されているのです。
これ救急隊員も過酷ですね。
搬送される方のうち、やはり多くは高齢者です。
その中に、エアコンのない家庭の高齢者も多く含まれているかと思います。
健康で文化的な最低限度の生活とは
特に生活保護世帯は保護費の切り下げなどの影響も受け、貯蓄をすることができず、
エアコンを購入するということは困難でした。
社会福祉協議会による貸付制度を利用するくらいしか手段はなかったのではないでしょうか。
今回、生活保護世帯のエアコン購入費の支給が認められたのはある意味画期的なことなのかもしれません。
高齢者やちいさな子供のいる世帯においては「健康で文化的な最低限度の生活」の基準として、エアコンの必要性が認められたということです。
健康で文化的な最低限度の生活といえば、ドラマやっていますね。
吉岡里帆が新人ケースワーカーを演じるという作品ですが、
生活保護受給・お金というシリアスな問題でもライトなタッチで描いているので、
気楽に見やすい反面、期待してみている層には消化不良な面もあるかなと。
それでも、健康で文化的な最低限度の生活とは何か、考えるきっかけになればいいなとも思います。
エアコン購入費支給の条件は
と、ドラマについては置いておいて。
今回のエアコン購入費の支給については
ネットユーザーからもかなり批判的な声が大きいのも事実です。
・生活保護基準よりも低い所得で生活している層はどうなるのか?
・学校にエアコンをつける方が先だ
・いっそのこと目的別ではなくベーシックインカムにしろ
など、もっともな意見も多いです。
問題はこのエアコン購入費の支給条件です。
実際の内容は
①2018年4月1日以降に保護開始した人
②単身者で病院の退院時等。
③災害にあった場合。
④転居の場合。
⑤DV等で転居する場合。のいずれかに該当し、「熱中症予防が特に必要とされる者」がいる場合です。
全員にほいほいとは支給はされませんね。https://t.co/044SMbfaiG
— DRB (@DRB52119788) 2018年7月28日
結構条件が厳しいです。
これに該当する人はかなり少数になると思いますし、
もちろん現金でエアコンのない世帯に5万円ずつ支給するわけでもありません。
「生活保護世帯にエアコンの購入費が支給される」という文面だけを見て批判するというのはいかがなものでしょうか。
熱中症で搬送されるコストが一回の搬送あたり最低5万円ということを考えたら、
エアコンをつける方が得策なのかもしれません。
夏の暑い時間をさけるために毎日デイサービスに行きましょう、とかショートステイを使いましょう、ということよりも
社会的なコストの使い方としては適切なのかもしれません。
⬜︎ 厚生労働省は26日までに、生活保護世帯で要件を満たせばエアコン購入費用の支給を認めることを決めた。上限は5万円。
現物支給がいいと思うんだけど、あと学校のエアコン設置も国が補助して欲しいな、例えば子ども手当から捻出してもいい。 https://t.co/BQLLqVksiZ
— フィフィ (@FIFI_Egypt) 2018年7月28日
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