厚労省推計 25年度に介護職34万人不足
厚生労働省は21日、今後の介護職員の需要推計を発表した。2025年度に必要となる介護職員は約245万人で、約34万人が不足する見通し。介護需要に労働力の供給が追いつかず、十分な介護サービスの提供が困難になると懸念される。
25年には団塊の世代(1947~49年生まれ)が75歳以上の後期高齢者に達し、訪問介護や入所施設など求められるサービス量は増える。16年度の介護職員は約190万人で、現在の就職率や離職率を基に推定した25年度の介護職員数は約211万人にとどまり、需要とのギャップが生じる。政府は介護福祉士の処遇改善や介護ロボットの活用も進め、人材確保と効率化の両面で人材不足を乗り切ることを目指す。
また政府は同日、40年度の医療・福祉分野で必要な人材数の推計も、社会保障給付費と合わせて公表した。事務職なども含めた推計で、ロボットや人工知能(AI)による生産性向上や要介護者の認定率などがやや低下することを見込んだ場合でも、介護分野は438万人、医療分野は293万人。これに障害福祉サービスなども含めた医療・福祉分野の合計は935万人となった。こうした改善を見込まない場合は、医療・福祉分野で計1065万人が必要で、今年度の823万人を200万人以上上回る。
みんな知ってますよ。
いまだって人手不足は深刻です。
施設は新しくオープンしても人手不足で受け入れを制限していたり、
訪問介護は新規の受け入れができない事業所も多いし、希望の時間になんてヘルパーが入れない。
有効求人倍率だって介護分野と他業種との差は広がる一方です。
今回、厚生労働省は2025年に34万人不足する見通しを発表しています。
第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について(厚生労働省)
介護職員の不足見通しについては、このブログでも以前に紹介しました。
3年前に掲載したものですが、この時点で30万人不足の見通しとなっていたのが、
34万人不足する見通しになっています。
3年前の介護職員数の総数は非常勤を合わせて171万人。
現在は190万人と増えています。
おそらく、このままいけば、この差は広がっていく一方でしょう。
その対策として以下の方策を考えているようです。
更なる処遇改善と書いていますが、また処遇改善加算を上乗せするということなのでしょう。
処遇改善加算を突っ込んでも必要数の差は埋まらなかったわけで、
抜本的に報酬体系の在り方自体を考えていくことも必要ではないでしょうか。
介護福祉士の養成についても、介護福祉士受験者数や介護福祉士専門学校の数自体が減っていることからも
危機的な状況にあることは変わりありません。
おそらくこのままいけば、一番現実的なのは外国人人材をどう取り込んでいくのかという部分になってくるのではないでしょうか。
そもそも、介護の現場は常勤・非常勤、パートタイムや人材派遣なども含めて様々な勤務形態で働かれているので、
総数だけで見ても必要数の見通しは立たない気もします。
職員数を増やすことだけを考えるのではなく、
働きやすく、フルタイムで続けていける人材を確保していくための取り組みも必要なのではないでしょうか。
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