施設・事業所の大規模化の促進を 介護報酬による誘導も 財務省が提言
今後の社会保障制度の改革がテーマとなった11日の財政制度等審議会の分科会 −− 。財務省は介護施設・事業所の大規模化を促進していくべきだと新たに主張した。
より効率的、安定的に運営できるようになると強調。スケールメリットを生かすことで、介護職員の確保・有効活用やキャリアパスの形成、サービスの質の向上にもつなげられるとし、「経営主体の統合・再編などを促す施策を講じていくべき」と注文をつけた。来月にもまとめる提言に盛り込み、政府が6月頃に決定する「骨太の方針」に反映させたい考えだ。
経営の大規模化、例えば複数の施設・事業所、法人の本部機能を統合していく試みなどは、既に一部の民間企業や社会福祉法人などが力を入れている。人材の採用や育成、研修会の開催、マネジメント、サービスの質の向上・標準化などにかかるコストを抑えつつ、建物の改修や設備の更新、投資、人事交流・異動などをより戦略的に行っていく狙いがある。
財務省は今回、複数の府県にまたがる7つの社会福祉法人が本部機能を独立・法人化させたケースを紹介。これから打つべき具体的な施策として、
○ 人事や経営管理の統合・連携に向けて自治体が目標を定める
○ 介護報酬を議論する際に一定の規模を持つ事業者の経営状況を勘案する
○ 人事、経営管理の統合・連携事業に加わることや一定の規模を持つことを、指定・更新の要件とする
などを例示した。
財務省がこの日の会合に出した資料(出典:平成28年度介護労働実態調査)によると、介護施設・事業所の約7割が100人未満の法人による経営となっている。また、「複数の事業所がある」としたところは全体の64%で、36%は「他に事業所はない」と答えている。
ようやく介護報酬改定が行われ、
Q&Aは2度発出されていますが、たぶんQ&Aも出てくるんじゃないかなっていう段階ですが、
国はすでに次の介護報酬改定に動き出しています。
そして、また財務省からです。
財務省の言い分としてはこうです。
・経営規模の大きな民間企業では経営状況が安定している。
・経営主体の合併などで大規模化していくことや、複数の法人が人材育成・採用などの本部機能を統合することでコストカットできる。
・統合・再編させる方向に施策を行っていく。
「人事、経営管理の統合・連携事業に加わることや一定の規模を持つことを、指定・更新の要件とする」
なんて案も出てきているわけで、
小規模の法人は指定更新もできなくなるなんて、横暴としか言いようがありません。
法人の規模が小さいから必要ないだの、言っていることの意味が分からない。
それでいて、特定事業所集中減算なんてやりだすわけだから、事業所なんて選びようがない。
事業所それぞれが独自性を生かした活動を行いながら地域のニーズにこたえていこうとしているのに、
大規模法人の同じような事業所ばかりを作るのが地域包括ケアシステムなんでしょうかね。
今回の介護報酬改定で、ケアマネは別法人との間での事例検討を行うようになったり、
地域密着型通所介護の運営推進会議をいくつかの事業所合同で行うことができるようになったり、
生活機能向上連携加算でのリハビリ専門職の連携だとか、
そういった別法人の事業所間の連携が密になっているかと思います。
ただ、それは現場ベースの話で、経営に関してはまったく別の話です。
財務省がぶち上げたこの提言、
厚生労働省がどう反応するのか、注目してみましょう。
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