居宅介護支援の管理者、主任ケアマネに限定へ 2021年度から 経過期間3年
厚生労働省は22日、居宅介護支援事業所の管理者の要件を主任ケアマネジャーに限定する方針を固めた。
研修を受けた質の高い人材に任せるべき、という判断から厳格化に踏み切る。来年度の介護報酬改定を機に運営基準を改めるが、これを完全に適用するのは2021年度からの予定。2020年度末までの3年間は、現行のまま一般のケアマネも認めていく経過期間とする考えだ。この日の社会保障審議会・介護給付費分科会で提案し、委員から大筋で了承を得た。
主任ケアマネになるには5年以上の経験と70時間の研修が必要。その後も資格を維持するためには、5年ごとに46時間の更新研修を受けなければいけない。
研修のカリキュラムには、後輩のケアマネを指導する手法やその際に重視すべき視点、人事管理のノウハウなどが含まれている。厚労省は今回、管理者がこうしたスキルを備えておくことが大事ではないかと説明。人材を育成していく現場の力を底上げするために、要件の厳格化を断行する意向を示した。
厚労省の調査結果によると、2006年度から2015年度までの累計で5万9193人が主任ケアマネの研修を修了した。昨年度のデータでは、2万8463人が居宅介護支援事業所に勤めている。主任ケアマネが管理者を担っている事業所は44.9%。そうでないところと比較して、後輩が利用者の住まいを訪問する際に同行してサポートしていたり、ケアマネ同士で業務について話し合う時間を設けていたりする割合が高いと報告されている。
以前にもこのブログで紹介しました。
【開いた口が】居宅介護支援事業所の管理者は主任ケアマネに限定される!?【塞がらない】
今回の制度改正でこれが現実化します。
11月22日に行われた社会保障審議会介護給付費分科会にて、
居宅介護支援についての議論が行われました。
資料は掲載されていますので、厚生労働省のホームページからご確認ください。
以前の記事でも書きましたが、
主任ケアマネがいる複数ケアマネ勤務の事業所は特定事業所加算を算定している場合も多く、
その加算算定要件としてミーティングなどが必要になっているというだけです。
主任ケアマネの方がサポートを手厚くしているとも限らないし、事業所の管理運営が適切に行えているという保証もないし、
教育機能として優れているというわけでもありません。
いま主任ケアマネで居宅介護支援事業所に勤務している方が2万8463人。
居宅介護支援事業所の総数が3万9471人。
おや?
主任ケアマネが複数いる特定事業所等もあるとは思いますが、
このままの計算でいくと、4分の1以上の居宅介護支援事業所はなくなる計算になります。
主任ケアマネが管理者をしている事業所は半数以下の44.9%。
管理者の交代なども雪崩のように起きる可能性があります。
これって、実はケアマネの質の向上という名目での居宅介護支援事業所の総量規制なんじゃないでしょうか。
残り3年間で主任ケアマネ研修を受けるか、主任ケアマネを連れてこないと、
今後の議論の展開によっては事業所は閉鎖になる可能性もあるということです。
現在、主任ケアマネが管理者をしている事業所であっても、
その主任ケアマネが退職したら、残りのケアマネは事業所閉鎖に伴い全員退職しなければいけない。
そんなバカな話がありますか?
これからの主任ケアマネ研修は居宅管理者をしていて主任ケアマネを持っていない人の受講が中心になってしまうでしょうし、
当然それ以外の人材育成は大幅に後れを取ることになります。
こんなの、質が上がるわけがない。
厚生労働省が目指していきたいのは事業所の大規模化というところなのでしょう。
居宅介護支援事業所の淘汰が始まっています。
ケアマネの皆さんはこの脅威に危機感をもって臨むしかないでしょうね・・・。
あと、ケアマネのターミナル加算ができそうな話が出ており、これは非常にわかりやすくていい話です。
末期ターミナルの利用者は居宅介護支援事業所にとっては手間がかかる上に
短期で終結するのでまったく収益につながらないので敬遠されてしまうという現実があったわけですから。
きちんと加算で評価してもらいたいですよね。
あと入院時の情報連携加算が変更になります。
面会するか書面だけかという方法を問わず、情報提供に要した日数だけで評価されるようになりました。
3日以内という日数を設定しているのは、入退院のサイクルが早くなっているので、わからないでもないです。
加算のために病院に来られても対応する病院によっては忙しいのに迷惑!と現場サイドから要望があったりもしたのかもと勘ぐってしまいます。
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