この記事の目次
通所介護・リハの基本報酬を見直し、1時間刻みに細分化―介護給付費分科会
通所介護や通所リハビリテーションの提供時間に応じた基本サービス費を、1時間刻みで細かく設定し直してはどうか―。
11月8日の社会保障審議会・介護給付費分科会の会合で厚生労働省は、こうした見直し案を示しました。さらに、▼大規模型通所介護事業所の基本サービス費を引き下げる▼訪問・通所リハビリテーションの基本報酬を、直近の介護事業経営実態調査の結果を踏まえて見直すとともに、医師の「詳細な指示」や厚労省のデータ収集事業(VISIT)への参加を評価する―といった方向性も提示しています。
8日の会合では、訪問看護や看護小規模多機能型居宅介護の見直しもテーマでした
ぎりぎり「3時間以上」のケースなどは引き下げか
通所介護の基本サービス費は現在、「3時間以上5時間未満」「5時間以上7時間未満」「7時間以上9時間未満」と2時間刻みで設定されています。一方、通所リハビリテーションの基本サービス費は、1時間以上4時間未満の間は1時間刻みで、4時間以上8時間未満のサービスは2時間刻みです。
このうち、通所介護のサービス提供時間の実態(平日)を30分刻みで見てみると、「3時間以上5時間未満」の中では「3時間以上3時間半未満」に、「7時間以上9時間未満」の中では「7時間以上7時間半未満」にそれぞれ偏っており、それぞれの基本サービス費を算定するために必要な所要時間を、多くの事業所が「ぎりぎりで満たそう」としている状況が伺えます。
これを踏まえて8日の会合で厚労省は、通所介護の基本サービス費を1時間刻みで設定する見直し案を提示。通所リハビリテーションでも同様の見直し行ってはどうかとも提案しました。
仮に「7時間以上9時間未満」が「7時間以上8時間未満」と「8時間以上9時間未満」に細分化されれば、「7時間以上8時間未満」の単位数は今より低くなると考えられます。
社会保障審議会が着々と進められています。
もっと細かくこのブログでも情報提供していきたかったのですが、
ちょっとしたサーバートラブルなどもあってできませんでした。
社会保障審議会の中でも、全般的に景気のいい話はどこにもないです。
さて、利益率が高いとして、報酬削減のターゲットとなっている通所介護ですが、
前回の改定では小規模の通所介護を狙い撃ちで地域密着型に移行させ、数量規制や報酬削減に乗り出しました。
小規模型からサテライト・中規模・大規模型に移行した事業所も多く、
通所介護は大規模型を目指して効率化を図るべきだ・・・というメッセージかと思えましたが、なんと、今度は大規模型を削減するという。
大規模事業所の通所介護は基本報酬引き下げ
また8日の会合で厚労省は、通所介護と訪問・通所リハビリテーションのそれぞれについて、今年度の介護事業経営実態調査(介護実調)の結果を踏まえて基本サービス費を見直してはどうかと指摘しています。
このうち通所介護について介護実調では、事業所の規模が大きくなるほど収支差率も大きくなっていました。また、サービス提供1人当たりのコストは大規模な事業所で低く、「スケールメリットが働いている」と考えられました。
こうした状況を踏まえた通所介護の基本サービス費の見直しでは、大規模型の報酬をより低く設定することになりそうです。ただ、委員からは「大規模化を妨げない報酬設定にすべき」(本多伸行委員・健康保険組合連合会理事)といった注文も付いており、大幅な引き下げにはならない模様です。
「はあ?」
今度は大規模型はスケールメリットが働いているので報酬を削減という、もう通所に対するいやがらせ以上の何物でもない。
そして、あからさまな報酬削減と言わせないような仕掛けとして時間区分を細分化するという用意周到さ。
いわゆる「3-5」「5-7」「7-9」と言われる2時間ごとの時間区分を1時間ごとの時間区分に変更すれば、
7時間5分と定めていた通所利用時間の場合は、「7-9時間」から「7-8時間」という時間区分に移行され、
当然報酬は減らしますよ、ということなんでしょう。
それでも、時間区分を見直しただけで、報酬削減ではないですよと言い張れる逃げ道を用意しているわけです。
事業所には経営努力をしろと言い、経営努力をすれば「提供時間区分の時間ぎりぎりで満たそうとしている」と嫌味を言い、さらに利益率が高すぎると言い。
ただ、こんな報道をしているマスコミもあるわけで。
デイサービス、リハビリ重視で介護報酬増へ 厚労省方針
厚生労働省は、介護が必要な高齢者が日中に通うデイサービスの事業所について、リハビリの専門家と連携すれば介護報酬を増やす方針を固めた。身体機能などの回復を目指す訓練計画作りに参加してもらう。来年度の改定で実施したい考えで、効果的な訓練を通じて高齢者により長く在宅で自立して暮らせるようにしてもらう狙いがある。
まるで報酬アップと思わせる報道内容ですよね。
訪問介護でもリハ職との連携による生活機能向上連携加算の算定がしやすくなりそうです。
今までは訪問リハ・通所リハ事業所の専売特許だったのですが、
地域によっては訪問リハビリ事業所自体がそもそもないというところも多く、
訪問でのリハビリの役割を担っていた訪問看護ステーションのリハビリ専門職にはこういった取り組みを評価する仕組みはありませんでした。
これが、訪問・通所リハビリ事業所に限定されずに「医療機関」に拡大されることで、
訪問看護ステーションのリハビリ専門職が地域で活躍できる可能性が広がってきていると。
それ自体は評価できそうですが、リハニーズも高く、
訪問看護ステーションとしても余剰人員を抱えているわけにもいかないですからどこまで活用できるか疑問ですね。
最近のコメント