高所得者は3割負担に=介護保険法改正案を閣議決定
政府は7日、介護保険制度の見直し内容を盛り込んだ介護保険法改正案を閣議決定した。2018年8月から現役並みに所得が高い高齢者について、介護サービス利用時の自己負担割合を現在の2割から3割に上げることが柱。対象は、年金収入のみなら年344万円以上の収入がある単身者ら約12万人で、サービス利用者の3%に当たる。
介護保険の自己負担は原則1割だが、15年8月から、年金収入のみの場合で年収280万円以上の単身者らを対象に2割に引き上げたばかり。急速な高齢化が進む中、制度維持のため再び負担増を求める。
40~64歳の現役世代が払う保険料(労使折半)の新たな計算方法「総報酬割」の導入も規定。17年8月~18年度に保険料の半分、19年度に4分の3、20年度に全額に適用する。全額適用した場合の保険料負担は、大企業社員ら約1300万人は増える一方、中小企業社員ら約1700万人は減り、収入に連動した負担となる。
長期療養の高齢者らが入院し、17年度末に廃止する介護保険適用の療養病床に代わり、新たに「介護医療院」を設ける。悪質な有料老人ホームへの対策も強化。改善指導に従わない場合、自治体が事業停止命令を出すことができるようにする。
さて、介護保険法改正案が閣議決定しました。
正確には「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」なのですが、
具体的な内容は強化につながるのかと疑問でしかないです。
その中で、最も注目を集めているのが、サービス利用に伴う自己負担についてです。
所得の高い利用者の利用者負担は3割に引き上げられます。
これまで原則1割だった自己負担割合は平成26年に所得の高い層だけ2割となり、
さらに今度は3割負担の層ができるということで、
これにはやはり反発も大きいようです。
2割負担になったことについての検証もままならない状況です。
3割負担になるのは、これまで2割負担の利用者のうち、
年金収入等が340万円以上の方が対象になります。
1割負担が利用者数全体の90%、
2割負担が利用者数全体の7%、
3割負担が利用者数全体の3%という割合になるとみられています。
つまり、2割負担の方のうちの3人のうち一人は3割負担になると考えていいということです。
下の図がわかりやすく、参考になるかと思います。
その説明を誰がするかです。
2割負担の時にも、結局はケアマネに丸投げをすると。
しかも負担割合証が届くのもギリギリになってからです。
高額の負担をすることになる利用者だけでなく、
説明責任を負わされたケアマネ、
そしてそれを回収しなければいけないサービス事業者からも当然不満の声は噴出しています。
以前から3割負担を目指す方向性は各所で耳にしていましたが、
2割負担を導入したばかりでここまで急ピッチで進むとは予想をしていなかったという関係者も多かったようです。
今回の改正案のポイントはすでにPDFデータで配信されていますので、ご確認ください。
他のポイントについては追ってまた紹介していきたいと思います。
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