介護保険制度改革 原案 自己負担増は所得上位の約3%
厚生労働省は、来年の通常国会に提出する介護保険制度改革の関連法案の原案をまとめ、65歳以上で介護サービスを受けている人のうち、再来年8月に自己負担割合が2割から3割に引き上げられて負担が増えるのは、およそ3%の所得上位者としています。
政府は、65歳以上で介護サービスを受けている人のうち、一定の所得以上の人の自己負担割合を再来年(平成30年)8月に2割から3割に引き上げる一方、40歳から64歳の人が支払う介護保険料について、来年8月から収入が高くなるに連れて負担額も増える「総報酬割」に段階的に切り替える方針です。
これについて、厚生労働省がまとめた介護保険制度改革の関連法案の原案では、65歳以上で介護サービスの自己負担割合が3割に引き上げられて負担が増えるのは、サービスを受けている人の3%程度に当たるおよそ12万人の所得上位者としています。
また、原案には平成29年度末までに廃止する介護療養病床は、6年間の経過措置を設けたうえで3つの新たなタイプの施設に転換していくことや、高齢者と障害者が同じ事業所でデイサービスなどの共通のサービスを受けられるようにすることなどが盛り込まれています。
厚生労働省は、この原案を基に法案化作業を進め、来年の通常国会に介護保険制度改革の関連法案を提出する方針です。
今回の介護保険制度改正のポイントの一つが自己負担3割の導入です。
原案では、サービスを受けている人のうち、およそ3%の12万人の所得上位者が自己負担3割になるとみられています。
地域によっても違いはあるかと思いますが、例えばケアマネひとりが担当する利用者の標準件数は35件なので、
およそケアマネひとり担当利用者あたり、1人くらいは3割負担になる利用者がいるだろうと考えるとイメージしやすいでしょうか。
都市部の利用者などでは当然割合は多くなると思いますが。
って、2割負担が導入されたのが昨年の8月です。
その一部を3割に引き上げるにしてもそれって性急すぎるんじゃないかと。
きちんと2割負担導入について検証できているのかということについては疑問が残ります。
8月に行われた第61回社会保障審議会介護保険部会資料にそれについての記載資料があります。
制度施行後の実績をみると、直近のデータ(平成28年2月サービス分)では、
2割負担に該当するのは、在宅サービス利用者のうちの9.7%、特別養護老人ホーム入所者のうちの4.1%、介護老人保健施設入所者のうちの6.2%となっている。
また、サービス毎の受給者数をみると、平成27年8月の施行前後において、対前年同月比の傾向に顕著な差は見られない。
というものですが、これまで1割負担で利用していたサービスが3割になることに
納得がいかない利用者は多いでしょうし、その説明責任をケアマネや事業者に負わせるというのは明らかに乱暴としか言いようがありません。
前回の記事でも記載しておりましたが、その方向性で進んでいるという状況ではありましたので、
3割負担になる可能性がある方には制度施行前からあらかじめ丁寧な説明をしていくことが求められます。
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