介護職に外国人材拡大 関連2法案が衆院通過
人手不足が深刻化する介護現場での外国人材の受け入れを増やす出入国管理・難民認定法改正案が、25日午後の衆院本会議で自民、公明、民進など各党の賛成多数で可決された。日本の介護福祉士の国家資格を持つ外国人を対象に介護職の在留資格を新設。働きながら技術を学ぶ技能実習制度の対象職種にも介護を新たに加える。参院での審議を経て今国会で成立する見通しだ。
技能実習の期間を最長3年から5年に延長する外国人技能実習適正実施法案と併せて可決した。実習先の団体や企業を監督する組織も新設し、実習生に対する人権侵害を防ぐ。両法案とも成立後1年以内に施行する。
現在、看護・介護の分野で外国人の受け入れが認められるのはインドネシアなど3カ国と結ぶ経済連携協定(EPA)の枠組みのみ。法整備後はEPA締結国以外からも留学生として日本に入国し、介護福祉士の資格取得後に就労ビザに切り替えて正式に働くことが可能になる。技能実習生には日本の介護サービスを学びながら就労に従事してもらう。
厚生労働省の試算では2025年に日本国内で約38万人の介護職が不足するとされ、政府は外国人材の登用が不可避とみている。介護現場で日本語が未熟な留学生や実習生が増えればサービスの低下につながりかねず、日本語教育の充実など対策を求める声もある。
これまでは、EPA締結国であるインドネシア・フィリピン・ベトナムからの介護人材の受け入れを行ってきていましたが、
受入開始から8年間が経過しています。
その間、どれだけの人材を受け入れてきたか、というと、2106人です。
38万人不足するというのに、8年間で2000人ちょっとしか増えていないんです。
様々な問題もあると思いますが、賃金や労働環境などを考え、外国人からも魅力的な仕事とは思えず、
日本での介護の仕事を回避する方が大多数ということでした。
であったならば、労働環境改善・報酬の見直しなどを図ることが優先だと思うのですが、
今度はハードルをどんどん取り外して対象者を拡大して人材を確保しようということです。
介護の質の問題はすでに置き去りにされている。
次回改定される介護保険は事業所側にとってますます厳しい内容になることは間違いなく、
加算を算定するために質の高い事業所運営が求められる一方、
語学やマナー・文化の理解という介護の質というレベルよりも別の部分での基本的な質の問題も
同時に解決していかなければいけないという問題が突きつけられるわけです。
訪問介護での外国人受け入れも開始されることとなり、
より慎重な議論が必要だと思われるのですが。
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