次期介護保険改定について、様々な議論が行われていますが、
公平性や判定基準、調査の質など批判の多い要介護認定について、メスが入りそうです。
厚労省、要介護認定の簡素化に向け、見直しを提案―介護保険部会
6月3日に開かれた介護保険部会では、要介護認定にかかる保険者の事務の業務簡素化・効率化について、意見が交わされた。
要介護(要支援)認定者数は、2015年4月現在608万人で、この15年で2.8倍に増加。それに伴って、保険者の事務量が増加している。これまでも、負担軽減の観点から、要介護認定の有効期間延長が段階的に実施されてきたが、さらなる見直しが必要かどうかが議論された。
出席した委員の多くからは、一定の条件のもと、認定にかかる一部の手続きについて省略が必要との意見が出された。たとえば、更新時に本人の状態に変化がなければ一次判定のみとしたり、初回認定時・不服申立て時・要支援→要介護への変更以外は、介護認定審査会を簡略化するなどだ。一方で、認定の有効期間延長については、慎重な意見が聞かれた。本人の状態が改善した場合に、過剰な給付がなされるおそれがあるからだ。
そのほかの意見としては、一次判定と二次判定が大きく乖離しているケースについて、その原因を分析し、二次判定で判定が大きく覆ることがないよう、必要な項目を一次判定に盛り込むことも必要といった声も聞かれた。
いずれにしても、業務の簡素化・効率化をはかるには、これまでの判定データの精査が必要になりそうだ。
次回の介護保険の改正では、いわゆる要介護度を決めるための市町村事務の簡素化・効率化が議題に上がっています。
簡素化・効率化というと耳障りはいいのですが、要は市町村の業務負担の軽減とコスト削減がテーマです。
実際、認定審査会に必要な主治医の意見書が毎回コピペで出される医療機関も少なくありません。
介護保険の要介護認定については利用者の自己負担はありませんので、全額保険者である市町村の負担になりますので、
このコピペ意見書を書く主治医にも報酬が必要になるわけで、一回5000円とか4000円の作成料が発生します。
認定の結果に不満があり、利用者が区分変更をすればまた同じ費用が発生すると。
そんな主治医意見書に報酬を支払う価値があるのかどうかということに、疑問を感じないわけがないでしょう。
すでに次回の改正では軽度者の福祉用具や住宅改修の制限、自己負担原則2割、ケアプランの利用者負担という
サービスを利用する側にさらなる負担を求める議題が次々と上がっています。
負担が増えるのであれば、介護サービスの過剰な利用は少なくなることから、
要介護認定で介護度による限度額上限を設ける必要性自体も薄れていくはずです。
市町村の負担軽減というよりも、
そもそもこの要介護認定というシステムそのものについて、根本から見直すべき時期に来ているのではないでしょうか。
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