居宅介護支援費の利用者負担導入に反対 ケアマネ協会が署名活動を展開
日本介護支援専門員協会が、居宅介護支援費の利用者負担導入に反対する署名活動を行っている。署名の受付は6月10日まで。
今年に入り、次期介護保険制度改正に向けて社会保障審議会介護保険部会が再開され、議論が進められている。
居宅介護支援費の利用者負担導入論については、過去の介護保険部会でも俎上に上がっており、同協会は議論の再燃を警戒しているところだ。同協会は署名活動の理由として、利用者負担を介護保険サービスの入り口であるケアマネジメントは、他の介護保険サービスとは全く別の性格のものであり、社会全体で支えるべきものであると主張。負担を強いることになれば、真にサービスを必要としている人が、必要な時に必要なサービス等の利用ができなくなる危険性がある、としている。
署名は、協会会員のみならず、家族や職場の人などもできる。署名用紙をダウンロードし、記入のうえ、所属の 都道府県支部事務局 へ6月10日までに送るよう依頼している。
次期介護保険法改正で、居宅介護支援費、いわゆるケアマネによる相談業務やケアプランの作成費用に自己負担を導入しようという案が再浮上しています。
現時点、ケアマネの行うケアマネジメント業務は原則自己負担がなく、100%介護報酬から受け取っています。
これに自己負担を導入しようという国の意図としては以下のようなものがあります。
1.自己負担を導入することで利用者の意識が変わり、厳しい目でケアマネジメントが評価され、ケアマネジメントの質が上がるんじゃない?
2.ケアマネジャーの選定をより慎重に行うようになれば、質の低いケアマネが淘汰されるようになるんじゃない?
3.ボランティアで代替できるサービスであれば介護保険のサービスを使わなくなって介護保険給付を削減できるんじゃない?
4.居宅介護支援費が年々増えているから手っ取り早く削っちゃおうぜ。
といったところです。
1については、ケアマネの意識についてですが、どうせ自己負担タダだから・・・なんて甘えをもってケアマネ業務やっているケアマネなんていないでしょ。
ケアマネの中立性・公平性を損ね、国の求める自立支援型とは逆行する利用者・家族のいいなりケアマネの量産という結果が待っているのではないでしょうか。
2については、ケアマネにつなげる段階で、いかに地域ケアプラザや医療機関で適切なマッチングを行っているかが問題なわけで、
自己負担云々の問題というわけではないでしょ。
3については、すでに総合事業に移行している自治体も多いと思いますが、訪問介護・通所介護は予防事業に移行され、
形的に代替可能な予防サービスには介護保険はいらないという方向性に国が舵を切っているのが現実です。
介護保険サービスを使わずに、全部ボランティアでまかなえばケアマネはいらないでしょと。
それぞれの団体が自分の都合のいいように活動して費用を徴収する。これが自立支援につながるか?
それをマネジメントする存在があって初めて予防につながるんじゃないかと。
4については確かに居宅介護支援費は増加しているけれど、そりゃ受給者が増えているんんだから当たり前の話で、少なくとも儲かってはいない。
介護報酬改定のたびに給付額の増えているところを削ろうとする介護保険部会の考え方がそもそもおかしい。
必要なサービスが増えているので、必要とされていないサービスをあえて増やせるようにというのは、いったい何のための介護保険なのか。
そもそもケアマネジメントは利用者が介護保険サービスを利用しなければ居宅介護支援費が発生しないことになっています。
サービス開始前・入院中・サービス利用中断中など、サービス利用の前後も含めた様々な場面でかかわっていながら、
相談やプラン作成自体には報酬が発生することなく、サービスを利用することではじめて給付管理という業務がセットになって報酬が発生します。
相談やプラン作成自体というケアマネジメント業務は自己負担を導入しても結局無料なわけです。
ケアマネジメント業務と給付管理業務、専門性としてどちらに価値があるのかっていったら前者なのに、後者で自己負担を徴収しようと。
そんなばかげた話は誰も納得しないですよ。
日本居宅介護支援専門員協会は自己負担導入反対の署名活動を開始しました。
◎日本介護支援専門員協会 居宅介護支援費の利用者負担導入に反対する署名活動について(緊急依頼)
っていうか、遅い。
そして受付期間が短すぎる。
ただでさえ、この業界、情報の伝達が遅く、地域内のケアマネが集まる協議会や連絡会の機会なんて年に数回しかないわけですから周知も難しいのですから。
もっとリリースを目立たせるとか、受付期間を長くするとか、もうちょっと工夫してもいいんじゃないかなと思うのですが。
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