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仙台の老人介護施設で入居者虐待
仙台市青葉区の介護付き有料老人ホーム「ベストライフ仙台西」で8月、介護福祉士の男性職員(28)が入居者の90代女性の顔をたたく虐待をしていたことが18日、分かった。同職員はさらに4人に虐待した疑いがあるほか、別の職員による入居者への虐待の可能性もあるという。
施設側からの報告を受けた市が発表した。
市によると、男性職員は8月31日未明、朝の排泄(はいせつ)介助などの際、女性の左ほおを2回たたき、2カ所に内出血ができた。「ベッド脇におむつなどが投げ捨てられており、カッとなった」と話しているという。
当日に他の職員が内出血に気づき、施設長に報告。運営法人「ベストライフ」(東京都)が男性職員から聞き取りをして虐待を認定し、9月15日に市に報告した。
報告では、男性職員は女性以外の4人に対してもたたくなどした疑いがある。さらに別の男性職員(19)も入居者を虐待した可能性があり、施設側は2人を16日付で懲戒解雇した。市はさらに調査したうえで施設への処分を検討する。
「ベストライフ」は首都圏を中心に100以上の施設を展開し、市内にも4カ所ある。ベストライフの担当者は取材に対し、「入居者やその家族に大変申し訳ない。会社をあげて再発防止に取り組む」と話した。
今度はベストライフでも虐待事件。
だんだんと神経が麻痺していきそうです。
複数の利用者に対しての暴力などの虐待行為。それだけでなく、別の職員も虐待を行っていたと。これはもう個人の問題ではなく、組織や環境自体に問題があるとみていいでしょうね。
有料老人ホーム及びサービス付き高齢者住宅の居室数ランキングというのがあったのですが、
1位からざっとこんなメンツです。
1位 メッセージ
川崎幸町での連続飛び降り(殺人?)事件や入居者虐待をはじめ、アミーユ豊中穂積での入居者虐待も発覚。
2位 ベネッセスタイルケア
ベネッセHDによる昨年の2070万件にも及ぶ個人情報大量流出事件による大幅な赤字や巨大な損害賠償もあり、
介護部門への影響も懸念。
3位 ニチイ学館
ニチイケアセンター池上で6月に110人分の個人情報を紛失。
4位 ベストライフ
今回紹介した虐待事件。
5位 ワタミの介護
ブラック企業の代表格とも。これまでも死亡事件や様々な事件を起こしていましたが、ついに売却の方向へ。
と、燦燦たる有様です。
これが介護のリーディングカンパニーの面々ですと、胸を張って言えるのでしょうか。
追記:その後、ベストライフ仙台西は一時新規入所受け入れ停止に
その後、行政処分により新規入所者の一時受け入れ停止が決定しました。
仙台市健康福祉局介護保険課は2015年12月25日、株式会社ベストライフ(長井力社長、東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル39階)が同市青葉区内で運営するの介護付き有料老人ホーム「ベストライフ仙台西」(同市青葉区栗生6-7-1)に勤めていた20代の介護職員2人が入居者への虐待をしていた等として、仙台西ホームの新規入居者の受け入れを一時停止とする行政処分をくだした。効力停止期間は1月1日から3月31日までの3ヵ月間となる。
ケアマネドットコム
追記
ちなみに、文中に登場したランキングに掲載されている企業のうち、メッセージとワタミの介護はいずれも損保ジャパンに吸収され、SOMPOケアとして事業を行っています。
ベストライフはその後も有料老人ホームの大手として施設数を増やし、現在は180施設を運営し、1万人を超える利用者が入居しています。
ベストライフは、入居金(頭金)が不要で、月額費用も比較的安く、立地のいい場所に施設がある傾向なので、人気が集まります。
職員の質がそれに伴っているかというと、必ずしもそうではないようです。施設も多く、職員も多ければそれだけ質の低い職員の存在で施設やブランドイメージを大きく落としてしまうということも言えます。
このような虐待事件が起きることで、ブランドイメージが大きく損なわれてしまいます。SNSなどの発達している現在であれば余計に悪い情報・悪い噂は拡散します。
虐待などに関する職員教育やチェック体制はますます重要になってきていますね。
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