黒字業者はボーナスカット禁止=介護報酬の給与加算で-厚労省
厚生労働省は17日、介護職員の待遇改善のため、2015年度介護報酬改定で職員向けに人件費加算を設けたことに関連し、収支が黒字など経営状態の良い事業者に対しては職員のボーナスカットを禁止することを決めた。経営が苦しくないのに待遇改善に消極的な事業者がいる実態に対応、加算がきちんと給与アップにつながるようにする。介護事業者を所管する全国の自治体に通知した。
介護職員の平均月給は24万円(13年度時点)で、全産業平均の32万円に比べて低い。同省は過去にも加算を設けており、今回の改定では職員1人当たりの月給を1万2000円引き上げる加算を新設している。
加算分は本来、給与上昇のためにしか使ってはならないが、厚労省は過去の加算時、「業績に連動して支払額が変動する部分(ボーナス)は、変動を妨げない」などの規則を示している。あいまいな面もあり、経営状態が良いのにボーナスを引き下げる事業者もいるという。
今回は報酬全体ではマイナス改定のため、収支が悪化してボーナスカットを考える事業者が増えるとも予想される。このため厚労省は4月から、カットできる事業者の条件を厳格化。原則的には、収支が黒字であればカットを禁止し、赤字であれば引き続き認める。
平均月給24万円って、そんなにもらってねえぞという怒号も聞こえてきそうですが、
給与水準の改善を目指して処遇改善加算の具体的な取扱いが発表されました。
読んでもなかなか頭に入りにくい資料ですが、要は過去の処遇改善交付金や改善加算取得前の賃金水準から改善されているかどうかを報告するということです。
(1)賃金改善の額をより正確に把握するため、新たに、加算を取得した場合の賃金水準と取得前の賃金水準の提出を求める。
(2)処遇改善計画書、同実績報告書の提出に当たっては、加算の算定額に相当する賃金(賞与を含む)の改善を実施する。
賃金水準を低下させる場合にはこのような要件をクリアしなければいけないということで、以下のように示されています。
2.経営悪化等により賃金水準を低下せざるを得ない場合の取扱い
(1)例外的に賃金水準を引き下げることが認められる場合の要件
① サービス利用者数の大幅な減少などにより経営が悪化し、一定期間にわたり収支が赤字である、
資金繰りに支障が生じるなどの状況にあること
② ①の状況が改善した場合は、賃金水準を引き下げ前の水準に戻すこと
(2)手続き
① 賃金水準を引き下げることについて、適切に労使の合意を得るなど必要な手続をとること
② 賃金水準を低下せざるを得ない状況であること等が確認できる書類を届け出ていること
こういった労使の合意という点では介護労働者にとっては弱く、
労働組合などがある事業所も少なく、仕事に対して持っているやりがいや利用者への思い入れなどから
労使の合意に躊躇する部分が出てしまうという側面もあります。
介護職員の労働者としての成熟も必要と考えたほうがいいのでしょうか。
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