介護報酬2.27%引き下げへ 職員月給1万2000円増
政府は九日、介護保険事業者に支払われるサービスの対価である介護報酬の総額について、二〇一五年度から2・27%引き下げる方針を固めた。介護職員の月給を一万二千円程度上げるなど待遇改善に向けた対策は進めるが、事業者の利益は減るため、職員削減やサービス低下が起きる恐れがある。麻生太郎財務相と塩崎恭久厚生労働相が十一日に協議し最終合意する。十四日に閣議決定する一五年度予算案に反映させる。
介護保険は四十歳以上の人たちの保険料と税金、利用者の自己負担で賄われている。介護報酬はサービスの公定価格で、原則三年ごとに改定する。マイナス改定は九年ぶりで、〇三年度のマイナス2・3%に迫る。厚労省は改定率決定を受け、二月中に具体的なサービス価格を決定する。
高齢化が進むため、政府は介護職員を二五年度までに最大で約百万人増やす必要があると推計している。だが、介護職員の平均賃金は月額で全産業平均に比べて約十万円低いなど、待遇改善が急務になっている。
このため、今回の報酬改定では、労働環境を改善するなどの条件を満たした事業者に対して、賃金の引き上げに向けた報酬の加算措置を拡充する。職員一人当たりの月給を当初検討されていた一万円から二千円上積みできるよう待遇改善のための報酬は増やす。
一方で、特別養護老人ホームなど施設介護は利益を上げているとして報酬を減額し、マイナスを求めてきた財務省側の主張を強く反映させた。現場には、報酬の引き下げは事業者の経営を圧迫し、サービス低下や職員の削減などにつながると懸念する声がある。
介護職員は増えない、報酬は減額、事業所はどんどんつぶれていく。
とてもではないけれど、供給量が追い付くわけがない。
最初にぶちあげられた6%というマイナス幅からはトーンダウンしたように見えますが、
それでも過去最大級のマイナス改定であることは間違いありません。
処遇改善加算を増額するという方針ですが、
離職率を改善する効果が処遇改善加算にどれだけあったのか。
介護労働安定センターの調査では、2013年度での離職率は16.6%。
前年度からの改善は0.4%にとどまる程度でした。
景気回復景気回復と鼻息の荒い政府関係者の皆様、
なにとぞ、介護業界にも景気の回復を実感させていただきたい。
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