介護報酬、来年度6%以上引き下げ…財政審提言
財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が、介護サービスを行う事業者に支払う介護報酬を、2015年度に全体で6%以上引き下げるよう提言することが分かった。
特別養護老人ホーム(特養)を独占的に運営している社会福祉法人の利益率を中小企業並みに下げ、税金と保険料、自己負担分から成る介護報酬(年間約10兆円)を6000億円以上圧縮したい考えだ。
同時に、来年10月に税率が10%に上がる予定の消費税を財源に、介護職員の処遇を改善するよう求める。
厚生労働省の調査によると、特養の利益率は8・7%で、一般の中小企業(2~3%)を大きく上回っている。1施設あたりの内部留保は最大3億2300万円と試算され、見直しの必要性が指摘されている。15年度は3年ごとの介護報酬改定にあたる。財政審は提言で、初めて具体的な削減幅を盛り込むことにした。
記事を見ながら、自分の目を疑いました。
マイナス6%以上という下げ幅は当然過去に類を見ないものです。
これまでの改定率を見てみましょう。
年 | 改定率 |
---|---|
平成15年 | -2.3% |
平成18年 | -2.4% |
平成21年 | +3% |
平成24年 | +1.2% |
これを見るだけでも、いかにマイナス6%以上という数字が桁外れなものかがわかります。
大混乱した平成18年ですら-2.4%なのですから。
しかも、マイナス6%ではなく、マイナス6%以上ですからね。
この改定率に人材確保のための処遇改善の加算は含まれていないということですが、
結局報酬単価が上がらなければ、安定した経営が出来なくなり、基本給のベースにも反映されないでしょう。
枯渇していく介護人材の確保を大きな争点としていた今回の介護報酬改定ですが、
このままでは日本の介護は制度があって提供できるサービスや事業所がないという空洞化の状態にも陥りかねません。
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