1400万円着服 特養職員が入所者口座から 横浜市指導へ
横浜市戸塚区にある特別養護老人ホーム「しらゆり園」の40代の男性職員が入所者の通帳から無断で金を引き出し、総額約1400万円を着服していたことが27日、分かった。施設側から事実関係について報告を受けた横浜市は近く立ち入り調査し、実態を把握した上で行政指導する。
市や施設関係者によると、男性職員は入所者から預かった通帳や印鑑を1人で管理する立場にあった。2009年7月から今年5月にかけ、物品を購入したことにするなど架空の名目で現金を口座から引き出していた。
約120人の入所者のうち施設が通帳を預かっているのは14人で、うち10人が被害に遭っていた。いずれも身寄りがなく、大半は認知症の症状があるという。
今月2日、別の職員が施設の台帳を確認したところ、領収書のない出金が複数見つかったため男性職員を問いただしたところ、無断引き出しと私的流用を認めた。生活費などに充てていたと説明しているという。
男性職員は既に全額を返済。施設側は23日付で懲戒免職とし、管理職を減給処分とした。
施設を運営する社会福祉法人「横浜博萌会」(同市戸塚区)の常務理事は「最も許されない不正行為を長期間見過ごしてしまった。再発防止のため対策を講じ、被害者に謝罪するとともに信頼回復に向け一丸となって取り組む」と話した。
横浜市高齢健康福祉部は「被害が高額で、長期間にわたって放置されている点は重くみている。事実関係を把握した上で厳しく指導する」としている。
2009年から今年5月までの長期間にわたって、1400万円もの無断引き出しを行い、私的流用していたということです。
もちろん、着服をした職員のモラルについては大きな問題ですが、
それ以上に、5年間もの間、これだけの額の着服が続けられていたことを、
通帳を管理している施設側が気付かなかったということです。
通帳を預かるということの重大性の認識が欠けていると言わざるを得ないでしょう。
本来、通帳を管理などするのであれば、家族ができないのであれば成年後見人による対応が望ましいはずです。
もちろん、第三者後見人による着服や私的流用という事件も発生していますが、
管理と報告の義務がある成年後見制度を使うのであれば、当然チェックの目も入ります。
通帳を預かっている利用者全員に貯蓄があるのかどうかはわかりませんが、これだけ財産を持っている入居者がいるのであればなおさら、
高齢者の財産を守るということの責任の大きさを理解し、
必要に応じて制度の活用もしながら権利・財産を守るのが社会福祉法人としてあるべき姿なのではないでしょうか。
最近のコメント