訪問介護女性死亡 法人に1564万円賠償命令
2009年12月、自宅への訪問介護サービスを受けていた愛媛県松山市の女性(87)が、うどんの具材の揚げ物を喉に詰まらせ死亡したのは調理したヘルパーが食材を細かく切らなかったためなどとして、遺族がヘルパーを派遣した同市の老人保健施設を運営する社会福祉法人(東京)に慰謝料など約2335万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、松山地裁であった。
西村欣也裁判官は「一口程度の食べやすい大きさに切らず、直径6~7センチの原形のまま揚げ物を提供した調理方法に過失があった」などとして社会福祉法人に約1564万円の支払いを命じた。
判決によると、介護事業者の被告は女性の身体機能の悪化や歯が2、3本しか残っていないことを認識しており、「窒息事故の発生を予見できた」と指摘。ヘルパーが注意義務を怠ったために、女性が窒息して死亡したと認めた。
施設側の女性の見守りや、事故後の救護には過失がないと判断した。
ヘルパーが訪問介護で調理・食事介助を行った際、うどんの食材の揚げ物をのどに詰まらせて窒息したことによる損害賠償請求での裁判が行われました。
結果、原告の請求2335万円でしたが、事業所を運営する社会福祉法人に1564万円の損害賠償という判決となりました。
問題はその、「予見」ができていたかどうかということです。
事業所側としてどこまでアセスメントができていたのか、
食事介助場面におけるヘルパーへの教育・指導が十分にできていたのか、
いずれにしても、介護事業におけるリスク管理の必要性を再確認するきっかけになるのではないでしょうか。
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