介護施設での高齢者への虐待件数、過去最多の件数に 厚労省調査
介護施設での高齢者への虐待件数が、過去最多の件数となったことが、厚生労働省の調査でわかった。
厚労省によると、2012年度、介護施設の従業員による高齢者への虐待に関する通報件数は、過去最多の736件(前年度+7.1%)で、このうち、虐待と判断された件数も、過去最多の155件(前年度+2.6%)だった。
厚労省は、「虐待防止の取り組みが進み、潜在的にあった虐待に対する通報も増えている」とみている。
家庭での虐待件数は二年連続の減少になりますが、
施設での虐待件数については前年度より4件増えているということです。
この統計は2012年度のものなのですが、ここ数年で虐待の内容もより深刻化・悪質化している印象もあります。
施設でのものと家族等によるものとを含めた数字ですが、虐待で死亡したケースは27人と前年度よりも6人増えています。
数だけではなく、その中身であったり傾向についても十分把握していかなければいけません。
また、秋田県では介護職員による虐待件数が5年連続ゼロを記録していることについて、
こんな記事が出ています。
高齢者虐待ゼロ、本当か 秋田県内の介護施設、08年~12年
虐待ゼロをめぐり、今月上旬の秋田県議会の一般質問で沼谷純議員は「私の聞く限り、実態を正しく表していない。県内に入所施設は500ある。1件も虐待がなかったとは到底思えない」と疑問をぶつけた。
県長寿社会課の担当者は取材に対し、「虐待通報の義務が、施設職員らに十分認識されていない可能性はある」と話す。
同法では虐待の調査は、被害を受けた本人かその家族、発見した施設職員の通報があって初めて実施する。抜き打ち調査などの制度はない。
秋田市長寿福祉課によると、市への通報は年1~2件ある。調査の結果、虐待に当たらないと判断してきたが、同課は「虐待がゼロとは思わない。通報がないと全容の把握は困難だ」と戸惑う。
社会福祉法人「東北福祉会」(仙台市)の認知症介護研究・研修仙台センターの矢吹知之主任研修研究員は「虐待件数が増える傾向にあるのは間違いない」と指摘した上で、「発覚の端緒のほとんどが内部告発だ。秋田では通報義務への認識が薄く、施設内で密室化し、虐待が潜在している可能性がある」と言う。
ゼロならゼロでまた違った意味での問題もあります。
通報件数のうち、虐待として認定されるのはわずか2割強です。
内部告発を推奨するつもりではありませんが、
虐待をしている状況を黙認しているのも虐待に加担しているのと同じで、通報義務というものが課せられています。
職場の状況にストレスを感じていたり、現状を変えたい思いがあれば、相談してみることをお勧めします。
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