要支援者のサービス利用は市町村予算内で上限設定。過剰サービスとは何か?

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介護費用、総額に上限、厚労省案、軽度対象、15年度から。

 厚生労働省は、介護保険サービスの費用の伸びを抑制する仕組みを導入する。症状が軽い人向けの介護予防事業を対象に2015年度から年間の事業費に上限を設け、75歳以上の高齢者人口の増加率並みの年3~4%に伸びを抑える。25年度には2000億円の抑制効果が見込まれる。高齢化の進行で税金や保険料による国民負担が膨らむのに歯止めをかける。
 介護が必要と認定された人のうち、症状の軽い要支援者(現在約150万人)向けサービスを15年度から3年かけて市町村が運営する事業に移す。市町村は毎年度の予算の中で、軽度の介護サービスをどれだけ提供するか決める。その際事業費がむやみに膨らまないよう、厚労省は政令で上限を設ける方向だ。
 上限は、介護の利用が増えてくる75歳以上の人の数と連動させる。軽度の介護サービスの費用は現在、75歳以上の人口の増加率を上回る年5~6%で増えている。市町村への移管当初は全国計で6000億円を見込み、10年後の25年度には従来の伸び率なら1兆円を超えるのを、2000億円少ない8000億円程度に抑えられる見通しだ。
 軽度の介護の事業費は税金と保険料からなる介護保険財政から支出する。介護全体でみれば1割未満で対象者数も3割弱だが、部分的でも給付の総額に枠をはめて管理する仕組みは珍しい。
 05~06年の医療制度改革では医療費の伸びを経済成長率の枠内に抑えるよう政府の経済財政諮問会議が提案したものの、医療界や厚労族議員らの抵抗で頓挫。かつての自公政権は07年度から5年間、社会保障費の伸びを年2200億円抑制する方針を掲げた後、高齢者などの反発で撤回した。
 厚労省が軽度の介護サービスの見直しに乗り出すのは、高齢化で介護費の膨張が加速しているため。自己負担も含めた総費用で13年度(当初予算ベース)の9・4兆円から25年度には2・2倍の21兆円に増える見込み。
 市町村移管後も要支援者が従来利用してきた介護サービスはそのまま使えるよう配慮する。要支援の認定やサービスを受ける計画(ケアプラン)作りも従来通りとする。
 市町村事業では訪問看護などのサービスは移管前とほぼ同じ基準で運営される。一方、掃除や洗濯、買い物など家事の手伝いにホームヘルパーを使ったり、同世代との交流でデイサービスに通ったりといった過剰な介護サービス利用は見直す。
 厚労省は、16日に開く社会保障審議会介護保険部会で素案を示す。来年の通常国会に提出する介護保険法改正案に盛り込む方針だ。

介護保険サービスの利用については、要介護度によって支給限度額が決められ、
それを越えるサービス利用については保険適用がされません。
これに加えて、2015年度からは軽度者対象のサービスの上限が設定され、
市町村の予算内でしか介護保険サービスを利用できなくなるようです。
市町村で介護報酬総額のキャパシティーが決められて、その範囲内でしか利用できないということで、
軽度者のサービス利用で調整するという形になりそうです。

掃除や洗濯、買い物など家事の手伝いにホームヘルパーを使ったり、同世代との交流でデイサービスに通ったりといった過剰な介護サービス利用は見直す。

さらっと書かれていますが、
これを過剰だとする意図がそもそも理解できない。
訪問介護の家事援助やデイサービスでの交流そのものを過剰と言っているわけです。
あきれてものも言えません。

ぶっちゃけ、要支援などの軽度者の利用で増えているのは運動型の短時間デイなどです。
3時間程度のサービスでも、要支援の場合は時間による報酬区分がなく、運動器機能向上加算もつけられる上に、
入浴や食事などの事故の可能性の高い介護がないため事故リスクも低い。
軽度のサービス利用についてはそういったサービスが圧迫している部分もありますので、
普通に考えたら、急激に膨らんでいる部分にメスを入れる方が先なのではないでしょうか。

記事編集・監修

 

介護福祉ウェブ制作ウェルコネクト

居宅介護支援事業所管理者・地域包括支援センター職員・障碍者施設相談員など相談業務を行う。

現在はキャリアを生かした介護に関するライティングや介護業界に特化したウェブ制作業を行う。

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