要支援1の認定率、4倍近い地域格差-厚労省が分析、認定の妥当性に疑問の声も
65歳以上の人口に占める要支援1の認定者の割合は、最も高い県と最も低い県では、4倍近い格差があることが、厚生労働省の分析で分かった。6日の社会保障審議会介護保険部会(座長=山崎泰彦・神奈川県立保健福祉大名誉教授)で報告されたもので、同部会の委員からは、改めて認定制度の妥当性に疑問を投げ掛ける声も上がった。
厚労省では、昨年10月の人口推計や12月の介護保険事業状況報告を基に、65歳以上の人口に対する65歳以上の要介護認定者や要支援認定者の比率について、全国平均と都道府県別の値を算出した。
その結果、認定率の全国平均は要支援1が2.4%、要支援2は2.4%、要介護1は3.3%、要介護2は3.1%、要介護3は2.3%、要介護4は2.2%、要介護5は1.9%となった。
また、要支援1の認定率では、最も高かった長崎県が4.0%強に達したのに対し、最も低かった山梨県では1.0%強にとどまり、その値に4倍近い差が生じた。一方、要介護1から5までの認定率では、都道府県の間に倍以上の格差が生じることはなかった。
この結果について、委員からは、「(市町村などの)保険者別では、もっとばらつきが大きいのではないか。要介護認定システムの妥当性・公正性に課題があり、介護保険給付の見直しの際には、慎重な議論が必要」(結城康博・淑徳大教授)、「(要支援については)ばらつきが大き過ぎる。早急な是正策が必要」(齊藤秀樹・全国老人クラブ連合会理事)などの声が上がった。
もともと要介護認定の公平性や妥当性については疑問の声があって、
いまさらという感じではあったのですが、
この話が議論に上がっているのが社会保障審議会だということで、
ひとつには、要支援・予防給付締め出しキャンペーンの一環なのかなと、
安易に想像がつきます。
要支援の認定の基準をより厳格なラインに統一することで、
要支援認定者を少なくするということです。
これまで、調査項目だけを見れば、自立相当に近い場合でも
定期的なサービスの利用やその他特記事項記載内容の状況などから、
要支援と認定される場合も少なくありませんでした。
今後、認定調査の基準は厳しくなり、
自立認定が次々に飛び出すようになるのでしょうけれど、
そもそも要介護認定自体を見直した方がいいんじゃないかという議論には
なかなかたどり着きそうにないですね。
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