介護施設焼死事件:介護福祉士を鑑定留置 広島
広島市の介護施設で入所者の高齢女性が焼死した事件で、殺人などの疑いで逮捕された介護福祉士、入沢亜加音(あかね)容疑者(21)について、広島地検は1日、刑事責任能力を調べるための鑑定留置を広島簡裁に申請し、認められたと発表した。期間は4月22日まで。
捜査関係者によると、入沢容疑者は「介護の仕事が嫌だった。いらいらしていた」と供述している。入沢容疑者は昨年12月5日、勤務先の介護施設で加登久恵さん(当時85歳)の布団にライターで放火し、全身やけどを負わせて翌日に死亡させたとして逮捕された。
先日紹介した凄惨な事件の続報ですが、
ベッドに火をつけた介護福祉士入沢容疑者には、
明らかに殺意があったものの、
加登さんに恨みはなかった、誰でもよかった、いらいらしていた、と供述しています。
殺害を行った動機について、
「(加登さんを担当していた)職員への腹いせの気持ちもあった」
と語っていると言います。
この担当の男性職員からのセクハラを受けていたという供述もしているようです。
なぜこんなことが起きてしまうのでしょう。
不満があればなぜそれを直接伝えることができないのでしょう。
若い世代のコミュニケーション能力の欠如、
不規則勤務によるストレス、
介護という職場の閉鎖性や人間関係のトラブル、
人の死と向き合う職場で働くことの難しさなどもあったかと思います。
ただ、どれも人を殺していい理由にはならず、
ましてや関係のない利用者を殺す理由にはなりません。
入沢容疑者の殺意は、
担当していた職員に向かず、
寝たきりだった加登さんに向いてしまいました。
入沢容疑者にとって、自分より「弱い」存在へその憎悪を転嫁してしまったのです。
容疑者が抱えている問題を打ち明けることはできなかったのか、
それを解決する方法はなかったのか、
逃げ道はなかったのでしょうか。
以前、誰もが耳を疑ったグループホームでの利用者殺人事件。
もう、こんな事件起こるはずがないという方も多かったのですが、
実際にまたこのような悲劇が起きているのです。
どこの職場でも起こりうることなのです。
利用者にその刃が向けられることは絶対にあってはいけません。
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