ご存じのとおり、12月16日は衆議院議員選挙です。
不規則勤務の多い方は上手に期日前投票を活用してください。
どこの党にいれるか迷っている人は、各党のマニフェストから、
介護・福祉分野について、
主だった箇所を抜粋しましたので、ご参照ください。
民主党
低所得の高齢者の介護保険料を約3割軽減(対象者:65歳以上の高齢者の約3割が対象)
介護が必要となっても住み慣れた地域で暮らせるシステムをつくる
○かかりつけ医と訪問看護など医療と介護の連携の推進、安心して暮らせる住宅の提供、在宅サービスの充実、配食や見守りなど生活援助サービスの促進などにより、住み慣れた地域で安心して生活ができるよう、在宅医療・介護の提供体制を整備する。
特に認知症の人とその家族への支援を充実する。
○持続可能な介護保険制度を確立し、報酬改定などにより、介護労働者の賃金をさらに引き上げ、介護労働者の確保に努める。
これまでの路線を引き継ぎ、介護職員の処遇改善や、地域包括ケアシステムについての記載になっていますね。
それと、低所得者の負担軽減に力を入れていくようで、
低所得高齢者の介護保険料軽減として、
3割の高齢者の介護保険料を3割軽減するということですが、
ここは消費税でまわせるという判断なんでしょうね。
介護保険料を払えないで介護保険サービスが利用できない人は今後も増えていくでしょうから、
介護保険がセーフティネットとしてまったく機能しない状態は避けたいですよね。
自民党
高齢化の進展により、増大が予想される介護保険料の上昇を抑制します。そのために、介護保険の保険給付の対象となる介護サービスの範囲の適正化等による介護サービスの効率化、重点化を図るとともに、公費負担の増加などを行い、持続可能な介護保険制度を堅持します。
社会保障制度において重責を担う介護支援専門員の国家資格化を目指します。居宅介護支援費に関しては、誰でも公平にケアマネジメントが受けられるように、介護保険制度で全額を賄う現行制度を堅持します。
住民や自治体のニーズに応え、間仕切り等の工夫によってプライバシーの保護に配慮した上で、高齢者が適正な負担で必要な介護を受けられるよう、「多床室特養」の整備を進めます。
おそらく政権与党になるであろう自民党ですが、
介護サービスの重点化が強調されていますので、
言い換えれば、切るところは切っていくつもりかなと思います。
ケアマネの国家資格化・多床室特養整備が非常にインパクトありますね。
ケアマネの国家資格化の際に、ケアマネの質の問題をまた持ち出されて、基準を満たないケアマネはケアマネとして働かせませんとか言われなけりゃいいんですけどね。
多床室特養については意見もそれぞれでしょうけれど。
ちなみに、訪問看護などの看護職の処遇改善なんて書かれていましたけど、
ただでさえ高い訪問看護がますます使いにくくなって、
それで医療系サービスを使わないケアマネの質は・・・とかっていう無限ループに陥るわけです。
日本未来の党
地域包括ケア、在宅介護支援体制を強化して、介護制度を充実させる。
あまり介護福祉に関しては重点を置いていないので、
どちらかというと内部でもまだ統一されていないので、
こういう書き方にしかならないのでしょうね。
公明党
安心のサポート体制と介護従事者の処遇改善
訪問介護・看護サービス等の大幅拡充や、ICTの活用も含め24時間365日いつでも利用可能な在宅支援サービスを強化します。また、こうしたサービス基盤を整備し、必要な介護・看護人材の確保や処遇改善を行うため、新たな基金の創設等を行います。
お元気ポイントの導入
介護保険を利用せずに元気に暮らしている65歳以上の高齢者に対し、介護予防などの取り組みを評価し、介護保険料を軽減する仕組みをつくります。
ボランティアに参加している65歳以上の方にポイントを渡して
保険料を軽減する取り組みとか市町村単位で実施しているところは多いですが、
元気な高齢者のモチベーションになる仕組みづくりは大事ですよね。
みんなの党
療養病床、特別養護老人ホーム、介護老人保険施設、在宅ケア、高齢者住宅等の役割を再検討。高齢者の視点に立つ、地域ごとのニーズに合った総合的な高齢者福祉政策を実現する。
介護職員の待遇を継続的に改善。正規・非正規・派遣等の就労形態による格差を是正する。
外国人介護士の受け入れは急務であり、受け入れ条件を根本的に見直す。
介護職の就労形態による格差の改善と、外国人介護士の受け入れを拡充することがポイントですね。
でも、
性犯罪者や犯罪を繰り返す精神障がい者の再犯防止対策を強化する。
っていう一行があるのがものすごい誤解を与える表現で気になります。
共産党
介護を受ける人も、介護をささえる人も、誰もが安心できる公的介護制度をめざして改善をすすめます
所得の少ない高齢者も安心して利用できる制度に改善します
要介護認定を廃止し、現場の専門家の判断で適正な介護を提供する制度へ
「介護とりあげ」をやめさせ、その人らしい生活を保障する介護制度へ
待機者解消へ5カ年計画で計画的な基盤整備の取り組みを進めます
介護職員の処遇改善をすすめ、介護従事者の確保をすすめます
これ以外にも、地域包括を市町村直営に、生活援助の時間短縮撤廃、介護保険サービス利用料無料化なんかが掲げられています。
かなりボリュームがあります。
社民党
特養ホームや小規模多機能施設の増設、在宅生活の支援強化で介護施設待機者をゼロにします
保険料・利用料金を見直し、だれもが利用できる制度へ改革します
介護認定を簡素化します
労働条件の改善と人材育成に取り組みます
特養などの施設を現在の倍にするということが目玉ですかね。
介護認定におけるケアマネの裁量を増やした上で、段階から3段階に簡素化し、認定による利用の制限を撤廃することが書かれています。
あとは低所得者対策としての減免の拡充であったり、施設の人員配置基準の見直しについて言及しています。
国民新党
社会保障と税の一体改革の中で触れていますが、
消費税の使用用途を社会保障に充てるとした内容が書かれているだけです。
新党大地
女性の視点に立った介護の制度を掲げていますが、特にこれといった内容はありませんでした。
新党改革
中古住宅を活用した高齢者向け住宅の拡充と、
医療介護のサービスの透明性を図るためのデータベースの公開を公約にあげています。
日本維新の会
社会保険制度の受益と負担のバランスを取り、
税金投入は低所得者対策に限定する内容の記載があります。
以上が、ざっと見てきたところですが、疲れた。
で、おそらく政権与党になる自民党について。
自民党については、憲法改正や国防軍に端を発し、かなり極右的な要素が強く、
憲法改正をこの自民党の改正草案のままに行えば、
基本的人権が国家の統制下に置かれるという何とも悲しい社会になるわけです。
これ、介護福祉に携わる人間としてそれを黙認していいのかと考えなくてはいけないし、
介護の仕事を続けていきたい、人権擁護を誇りを持って行っていきたいと思っている人は
必ず選挙に行っていただきたい、というか、行くものだと信じています。
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