この記事の目次
特養入所直後2人死亡 神戸市、施設に受け入れ停止処分
神戸市中央区の介護施設で4月、入所直後の90代と80代の男性2人が相次いで死亡していたことがわかった。神戸市は7日、「死亡との因果関係は不明、もしくは認められないが、介護に不備があった」と認め、施設を6カ月間の新規入所者の受け入れ停止処分とし、発表した。
施設は「神戸海岸特養ケアセンター特別養護老人ホーム」。入所者2人の心身の状態を十分把握せず、適切な介護ができていなかった――など複数の介護保険法違反があったという。
相次いで亡くなった二人の男性のうち、
一人はもともと逆流による嘔吐があり、胃瘻に半固形の栄養物を注入していたものの、
この施設ではそれを行っていなかったということです。
もう一人は2時間おきの吸引が必要とされていながら、7時間吸引が行われていなかったということです。
胃ろうや吸引などの医療的ケア、引き継ぎができていなかったのか
今回の二件についてはいずれも医療面での対応が引き継がれていなかったことが影響していると考えられます。
これが直接の原因なのかというと、直接の死因につながるような内容ではないのですが、環境やケア体制の変化が本人に与える影響は少なくないものと考えられます。
できるだけ負担や影響を少なくするために
それまで行っていたケアを可能な限り引き継ぐことが必要だったと思います。
引き継ぎができていたのかどうか、それを残す書類があったのかどうかも商店になります。
医療的ケアの必要な利用者が増える特別養護老人ホーム
特養だけの問題ではなく、入所後の嘱託医の判断もあったので、
医療の面での責任も考えなくてはいけないのかもしれません。
看護師の職員配置が基準未満だったこともあり、
アセスメントも不足していたことも予想されます。
今回の処分が2人の入所者の死亡という事実から判断したのではなく、
配置基準違反や不正請求など、
その背景にある運営上の問題などを問題視してのものであることは明らかです。
しかし、その一方で特別養護老人ホームに医療的ケアの必要性がますます高まっていることも無視できない問題です。
逆流のある方の経管栄養と2時間おきの吸引、となると特別養護老人ホームで受け入れる医療ケアとしてはかなり濃度の濃いものとなります。受け入れを行わない特別養護老人ホームのほうがむしろ多いかもしれません。
医療ケアがこれだけ必要な利用者として情報が事前に伝わっていたのか、そしてそれを受け入れる体制があったのか。
利用者増による経営の安定よりも、利用者の必要とするサービスが提供できるのかどうかをきちんと見定めた上でのサービス提供が重要です。
最近のコメント