介護報酬不正受給、過去最大25億円か――愛知の豊岡会
愛知県豊橋市に本部を置く医療法人「豊岡会」グループの運営する介護施設・病院で、介護報酬を不正に請求し、受領していたことが判明した。
豊岡会は1973年に設立し、愛知県と静岡県西部で病院、介護老人保健施設、グループホーム、デイサービス等、複数の事業所を展開している。今回、その中の数施設で、職員が定数に満たないにもかかわらず、減算することなく介護報酬を請求していたことがわかった。
既に浜松市では調査が進み、浜松市内の対象施設での不正請求額は5年間で5.3億円にのぼることが判明。これにより、今月11日付で、12月1日から2ヶ月間、「新規受け入れの停止」「介護報酬の半額カット」が決まっている。
他の施設については現在調査中で、愛知県監査指導室によると、「11月には結論を出したい」としている。豊岡会の鈴木市三理事長は14日の記者会見で、現時点で不正受給額が約25億円に上ることを明らかにしており、これまでの不正受給額で最高だったコムスンの約15億円を大きく上回ると見られる。
豊岡会によると、介護報酬の過大請求をしていた施設は、静岡県浜松市のはまなこ病院、はまなこ介護老人保健施設、愛知県豊橋市の豊橋元町病院、同岡崎市の岡崎三田病院、三田介護老人保健施設、滝町介護老人保健施設で、入院、入所経験のある利用者に対しては返金をすること、過大請求をしていた保険者に対しては、全額返済する旨をホームページで発表している。
日が経つにつれて、不正受給額が大きくなっています。
11月にはこの全貌が明らかになると思われますが、
金額だけを考えると、過去最大の不正受給になります。
問題はその悪質性がどれほどのものかというところになるかと思います。
定数に満たなかったけれど、グループ全体でそれを隠して不正請求をしていたということは、
職員単独で行ったことではなく、
組織的な不正であったわけですから、
理事長が引責辞任をすればそれで済むという問題ではありませんし、
組織全体の体質そのものが問題だったと言えます。
もちろん、不正請求には、
架空請求など、もっと悪質なケースもたくさんあります。
やっていいことではありませんが、
今回に関しては手口自体が極端に悪質だったものとは思いません。
でも、「25億円不正受給」という言葉のインパクトの大きさで、
その時点でその組織も、そこで働く人も評価されてしまいます。
今後、どのような処分がされるかについても注目したいと思いますが、
利用者への返金や、保険者への対応などについてはスピーディな決定がなされており、
そのあたりは同じ大規模の不正受給となったコムスンの事件とは大きく異なっていますね。
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