介護施設でアメ玉誤飲死亡 施設側の過失を認定
岡山県井原市内の高齢者の通所介護施設で、通所者の男性(当時79歳)がアメ玉を誤飲して死亡したのは施設側の過失が原因として、遺族3人が施設を運営する同市の社会福祉法人「新生寿会」に対して、計2000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が4日、地裁福山支部であった。吉波佳希裁判官は、「救急車の要請が遅れた」と施設側の過失を認定し、計1000万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は2010年1月、同会が運営する通所介護施設内で、ほかの通所者からもらったアメをのどに詰まらせた。男性がせき込むのに気付いた施設の職員らが背中をたたくなどしたが、アメ玉を取り除けなかった。施設からの119番で駆け付けた救急隊員がアメ玉を取り除いて病院に搬送したが、男性の意識は戻らず、急性呼吸不全で死亡した。
吉波裁判官は、救急車を呼ぶのが少なくとも10分間遅れたとし、「遅れは男性の生命に重大な影響を及ぼしたものと推認できる」と指摘。「安全に配慮する義務に違反した」と同会の責任を認めた。
原告側の弁護人は「判決を踏まえ、今後の対応を相談して考えたい」とし、新生寿会側は「判決を見てから今後の対応を検討したい」としている。
きっと、このニュースを聞いて、
飴玉を持ってくるのを禁止する施設が続々出てくるんだろうなと。
実際、たいていのデイサービスでは、
飴玉を渡したりする姿がしょっちゅう見られるものですが、
金品じゃないからいいや、みたいに考えているところがあったかなと思います。
でも、これもその場ではきっと大切なコミュニケーションなんですよね。
昔の人は、贈り物して、お返しもらって、また贈り物して、みたいな、
モノを通して気持ちを伝えあって、面倒ながらもそれが結びつきを生んでいたわけです。
デイサービスでよくあるそんな光景から、そんな文化を感じたりもしていたのですが、
こういったニュースを聞いてしまうと、ほほえましいとばかり言ってられないですよね。
救急車を呼ぶのに10分かかったというのは、
確かに遅いと言えば遅いと思いますが、
厳しい判決だな、と感じる一方で、
介護の仕事がそれだけ責任の重い仕事なんだということを考えさせられます。
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