介護報酬改定:「アップは困難」 社会保障審分科会会長「震災念頭に議論」
厚生労働相の諮問機関、社会保障審議会介護給付費分科会の大森弥会長(東京大名誉教授)は27日の同分科会で、「震災対応がある中で(介護報酬の)単価が上がるなんて話は通用しない」と発言した。東日本大震災の被災地復興に巨額の財源を要する中、12年度の介護報酬改定ではプラス改定は難しいとの認識を示したものだ。
次期12年度改定は、介護職員の処遇改善が焦点だ。政府は月額賃金を1万5000円アップさせるため、約4000億円の補助金をつぎ込んできたものの、補助金は11年度で失効する。介護保険で恒久的に賄うには2%強のプラス改定が必要だが、大森会長は「被災地に相当のお金を投入することを念頭に置いて議論する。従来型の議論はできない」と指摘した。
震災の影響で、介護報酬についての議論は一気にマイナス改定の方向に持ち込まれました。
タイミング的には確かにそういった流れになっても仕方ないのかもしれないのですが。
ただ、審議会の中では、震災を利用して、
ここぞとばかりに軽度者足切りを進めようとする輩がいるわけです。
4月27日に開催された社会保障審議会介護給付費分科会では、平成24年度介護報酬改定について、意見交換が行われた。
この日、池田省三委員(龍谷大学教授)の「要支援1、2は介護保険から外すべき」という意見に議論が起こった。
池田委員は、「(東日本大震災で)自助、互助、公助が動き出した。今回の大震災で学ぶべきことは、配分を考えるべきということ。私は要支援1、2は介護保険から外すべきだと思います」、「(財政の)お金がないということは切るべきものは切る」、「24時間、認知症の人に人(介護職)をつけることはできない。家事援助サービスはいらない」、「予防は自己責任ではないですか?」などと、意見。
これに加えて、大森彌分科会長(東京大学名誉教授)が、「3.11の後、従来と同じ議論はできない。全体の中でどのように位置づけられているのかを常に念頭におくようにしています」と、被災地の復興に大きな財政支出がかかるなか、介護給付費のみを特別視することはできないことをやんわりと説明した。
また、三上裕司委員(日本医師会常任理事)も、「予防は必要だが、『保険でやるのはどうか』という議論は成り立つと思う」とコメント。
「軽度者足切り」の主張ありきで、わざわざご丁寧に震災を引き合いに出してくるあたり、
腹立たしいことこの上ないわけですが。
さて、介護報酬改定、どうなるのでしょう。
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