介護ベッドの事故続発、急がれる安全対策とJIS規格普及。

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損賠訴訟:介護ベッドで死亡 三重の遺族、製造2社などを

 介護ベッドのマットレスと柵のすき間に胸部を挟まれ死亡した三重県の男性(当時64歳)の遺族が6日、ベッド製造の2社と四日市社会保険病院を相手取り、製造物責任や安全配慮義務違反があったとして、慰謝料など約6800万円の損害賠償を求める訴えを名古屋地裁に起こした。
 訴えられたのは「フランスベッド」(東京都)と「パラマウントベッド」(同)、同病院を運営する社団法人全国社会保険協会連合会(同)。
 訴状によると、男性は関節リウマチなどの治療のため同病院に入院中の08年2月28日午前3時ごろ、あおむけの体勢で、ベッドのマットレスと柵のすき間に胸を挟まれた状態で死亡しているのが発見された。死因は胸背部圧迫による窒息死。ベッドはフ社製の本体にパ社製の柵が設置されていた。ベッドは荷重が加わった場合マットレスと柵のすき間が広がる機能があり、発見時、これが作動、挟まれやすい状態になっていた。
 原告側はメーカー側が01年以前から介護ベッドの事故情報を把握しながらリコールなどの有効な対策をとらなかった責任が、病院側にはベッドの欠陥を知り得る立場にありながら使用した責任があるとしている。
 今回の事故と同じ型式のパ社製柵については、08年2月~09年4月に計3件の挟まれ事故が起き、消費者庁が製品起因の疑われる事故として公表。事故を受け、業界団体は注意喚起をしていた。
 被告の3者はいずれも「訴状の内容を把握していないのでコメントできない」としている。

業界内では、介護用ベッドの事故を防ぐためにJIS企画準拠の介護用ベッド普及に
努めていたという背景の中で起こった事故となります。
が、施設や病院など、JIS規格以前のベッドが占める割合は大きいのが現状。
サービスを受ける側の意識も以前とは大きく変わってきていることから、
事なかれ主義が通じる時代ではないことを認識しなければいけませんね。
こういったリスクを想定して、安全面での対応を急がなければいけないですよね。
さらにこんな事件も。

パラマウントがリコール中の介護ベッド、お年寄り重傷

 パラマウントベッド社の介護ベッド「楽匠(らくしょう)」の頭側にある部品が壊れてベッドが傾いたために今年7月、宮崎県に住む70代の女性が床に落ちて腰や胸の骨が折れる事故が起きていたことがわかった。楽匠の一部の機種は、3年前からリコール(補強部品の取り付け)の対象となっており、女性のベッドもその一台だったが、補強されていなかった。
 消費者庁によると、似た事故はこれまでに全国で9件発生。これを受けて同社は21万台余(03年11月~06年5月の製造)をリコール中だが、まだ約6万7千台の補強が終わっていない。対象は型式が「KQ―」の後の5文字の冒頭が「86」「83」「82」のいずれかという。

「楽匠」シリーズは一般的にも普及されているシリーズでもありますので、
自宅で使われている方は型番などの確認をお願いいたします。

記事編集・監修

 

介護福祉ウェブ制作ウェルコネクト

居宅介護支援事業所管理者・地域包括支援センター職員・障碍者施設相談員など相談業務を行う。

現在はキャリアを生かした介護に関するライティングや介護業界に特化したウェブ制作業を行う。

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