要介護高齢者6人置き去り 福島県、業者に改善命令
無届けで有料老人ホームを運営した上、介護が必要な高齢者6人を置き去りにしたまま施設を放棄したとして、福島県は13日、老人福祉法に基づき、同県いわき市の介護業者「ワールドアシスタンス」に改善措置命令を出したと発表した。
元従業員1人がボランティアで世話を続け、県などのあっせんで間もなく6人の受け入れ先が決まったため、6人に健康への影響はなかったという。
県によると、業者は県知事に届け出ないまま、2006年7月から同市内のビルで入居介護や食事などのサービスを有料で提供。同じビルで県知事に届け出て営業していたデイケア事業を07年9月に休止した際、入居介護中だった66-91歳の男性1人、女性5人の介護を放棄した。
業者は高齢者の年金通帳を預かるなどし、通常の有料老人ホームより低価格で介護していたが、ビルの賃料は一度も払っていなかった。
施設が放棄されてから、発覚して保護されるまでの11日間。
6人の要介護者はこの元職員の善意だけに支えられてきたわけです。
別の記事にはその職員のコメントが掲載されています。
見かねた男性従業員の1人が自己判断で残り、弁当を配るなど食事や排せつ、年金などの管理を行っていた。男性は、無給で勤務したとしていわき労働基準監督署に被害の申し立てをしており、県に対しても「入居者には日ごろからお金を含めた身の回りの世話を頼まれていた。無給だからやめるつもりだったが、面倒を見ないわけにもいかなかった」と話してるという。
善意で介護を続けていた、といえば聞こえがよく感じるかもしれません。
けれど、この男性ももちろん好きでやっていたわけではないことがコメントからうかがえます。
残された利用者を守るためにはこうする以外に方法が無いと考えたからに違いありません。
これは特殊なケースではありますが、
こういった介護労働者による自己犠牲。善意に支えられている事業所は多いはずです。
それをさせることを、事業者は恥ずべきで、善意や奉仕の精神への依存を捨てなければ前には進めません。
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