新設介護サービス利用されず 名古屋市、執行率1%
改正介護保険法で2006年度に新設された「地域密着型サービス」の利用者が少なく、名古屋市での予算執行率が1%前後にとどまっていることが分かった。見込みと実態が大きく食い違ったことに、市は「制度自体が知られていない。PRに努めたい」としている。
名古屋市では地域密着型サービスのうち「小規模多機能型居宅介護事業」について、06年度当初予算額に18億円を計上していたが、執行額は1500万円で執行率0・84%に終わった。
市は06年度の利用者を640人と予想し、08年度は1900人まで増えるとしていた。サービスを提供する事業所数も06年度約30カ所、08年度は約100カ所と見込んだ。しかし、06年度の利用登録者は予想を大きく下回る56人で、施設は8カ所にとどまった。
「小規模多機能型居宅介護事業」は、在宅介護を支援するため、訪問や一時宿泊を組み合わせたサービスを提供する内容で、1事業所あたり定員は25人以内と決まっている。
市介護指導課は事業者の参入が進まなかった原因として、一定規模の宿泊施設を確保しなければならないなど、指定を受ける基準が小規模事業者にとって厳しいことや、事業者が介護報酬の単価が低いと評価したことを挙げた。
一方「夜間対応型訪問介護事業」は06年度当初予算8億円に対し、執行額は1000万円で執行率は1・25%。
市は06年度の利用時間数を18万400時間と見込んだが、実際に利用したのは504時間だった。市内には事業所が3カ所あり、市内全域で利用できる態勢が整っているが、「夜間急にヘルパーに来てもらいたい」という需要が少なかったという。
名古屋市は介護保険事業の計画を3年単位で立てており、07年度は「小規模多機能型居宅介護」「夜間対応型訪問介護」とも06年度を上回る予算を組んだ。しかし事業所数は06年度のまま。利用者は若干増えているが、このままでは本年度も予算が大幅に余る見込みという。
岐阜市では、07年度中に「小規模多機能型居宅介護事業」の施設が3カ所開設される見通しだったが、まだ実現していない。このため06年度を含めて事業費を予算計上していない。建設の予定が決まり次第、対応することにしている。
地域密着型サービスは、地域での通い・泊まりを含めた、
要介護高齢者にとっての要となる拠点としての期待が集まり、
改正介護保険法によって華々しいスタートをきるはずだったのですが。
まず、最大の問題点は、利益に結びつかないことです。
単価も安く、小規模のため利用者確保も難しく、
そして、何よりも夜間も含めた複数のサービスを提供するためのスタッフを確保することができないのです。
名古屋市で1%というニュースでしたが、自分の住んでいる横浜市でも、
地域密着型サービスは計画を大幅に下回っており、全国的にもその傾向は強いと思われます。
改正介護保険で、いったい何が変わったのでしょう。
まったく効果の見通しの立たない介護予防サービス、
利用も事業所も増えない地域密着型サービス、
そして訪問介護の利用制限、介護報酬の削減、ホテルコストの徴収。。。
この法律の改正を行った人たちが、
まるで現場を見ていなかったということだけは間違いなさそうですね。
最近のコメント