コムスン 介護保険の信頼を崩す
訪問介護最大手の「コムスン」の事業所について、厚生労働省は来年4月以降、介護保険法に基づく指定を打ち切り、新たな事業所指定もしないよう、都道府県に通知した。同社の介護事業所の8割に当たる約1600カ所が対象だ。
厚労省が厳しい措置に出たのは、青森県など同社の8事業所で勤務実態のないヘルパーを勤務していたことにするなど、虚偽申請で不正に事業所指定を受けていたからだ。事前に事業所の廃止届を出し、処分を逃れようともしたという。介護を食い物にしていると言われても仕方のない悪質な行為である。
介護保険は、国民が納める介護保険料で支えられている。それを不正な金もうけの手段とした、と批判されても仕方ない。指定打ち切りはやむを得ない。
多くのニュースや情報番組が一連のコムスンについてのニュースを報道しています。
過熱気味の報道に、いささかライブドアショックのような、
ほらみたことか、的な様相が伺えます。
そこで、コメンテーターなどが、
コムスンの顔である折口氏のキャリアなどを紹介して、
介護事業が金儲けに利用されている、
介護事業は奉仕の精神で行うもので、利益を追求するためのものではない、
といった論調のコメントを寄せています。
それも、介護福祉の専門家を名乗る方々が、です。
介護事業にとって、利益追求が間違った行為かというと、それはわけが違います。
正しいサービスを提供して正しい利益を上げる。そしてサービスの継続や発展がある。
介護保険による介護サービスは、それまで行政が中心となって担ってきたものを、
行政ではまかないきれなくなり、介護サービスが民間企業でも利益を生み出せるシステムを作り、
そこに民間活力を導入したというのが背景です。
なので、介護事業だからといって、利益を求めていけない道理はどこにもないわけで、
彼らのコメントは行政による補助金で山のような赤字がまかなわれていた前世紀的な考えであって、
まったく理屈が通っていません。
ついでに彼らがどんな車に乗ってどんな家に住んでどんな生活をしているかも紹介してから、
そんなコメントを寄せてくれるとうれしいですが。
もちろん、コムスンの不正行為が許されるものではありませんが、
これはコムスンだけの問題ではありません。
同じ不正を行っていた大手事業者の名前もあがっているわけですから。
それと、ひとつ付け加えると、福祉が事業として成立するようになったその創成期には、
私財をなげうって、自ら事業を開拓していった先駆者たちもいることも書いておきます。
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