障害者自立支援法、施設間の競争は起こりうるのか?

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障害者福祉の1割負担、86%が「見直しを」

 障害者自立支援法で今年4月から福祉サービス費用の1割が原則自己負担になったことに対し、障害者世帯の86%が「利用料制度の見直し」を求めていることが障害者支援団体の調査で分かった。外出時に付き添うガイドヘルプやショートステイ(短期入所)などの利用を控える動きも出ており、「このままでは負担し続けられない」との声が半数にのぼった。
 大阪市の「大阪障害者センター」が7月から9月にかけて、全国21都道府県の障害者やその家族2296世帯を調べた。
 4月以降、施設利用や福祉サービスに対する自己負担額が月1万~3万円増えた人が全体で45%。3万円以上も1割だった。世帯主の年収が80万円に満たない低所得層でも、負担増が1万~3万円の人が3割を超えた。
 負担増に対応するため、ガイドヘルプを減らした人は32%、ショートステイを減らした人は25%。病院への通院回数を減らした人は全体で5%だったが、年収80万円未満では12%にのぼり、年収が低い人ほど通院を控える傾向が強い。
 厚生労働省は、自己負担導入で障害者が施設を選ぶようになれば施設間競争が促され、低価格で質の高いサービスが実現するとしているが、調査を分析した山本敏貢・大阪千代田短大教授は「多様なサービスを提供する事業者はすぐには参入しにくく、その間に低所得の障害者ほど負担が重くのしかかっているのが現状」と指摘している。

障害者サービスでも、やはり真っ先にその影響を受けているのは低所得者のようです。
自立支援法に関しては、反対以外の声を探すことが難しいのですが、
こんな記事もありますので、紹介します。

NPOワークスみらい高知PRESS:自立支援法の真髄

ステレオタイプなマスコミも含め、反対!反対!の障害者自立支援法。自己変革をしないと遺跡になってしまうかもしれないと気が付くことは難しいのでしょうか。従来、障害者に関われる者は、福祉しかないと考えられた制度体系により、その就労も福祉が担ってきました。しかし、一向に進まない一般就労、信じがたい低賃金。この法律で、その現状を打破するため、担い手を企業にしようと国は考えているのではと気が付いている人はほとんどいないようです。
本来、人材育成は企業負担で行われるものが、報酬をくれるというのだから、ありがたいことだし(報酬単価が低いなどと文句は言わない)、現場業務とはかけ離れた内職作業をしてきた施設利用者を採用するより、自前育成の方が効果的であることは言うまでもありません。さらに、こうしたシステムにより、今後ますます問われるであろう障害者雇用に対するコンプライアンス(遵法)も容易となります。

そう。障害者自立支援法の成否の鍵は、自己負担の有無ではなく、就労支援にかかっているわけです。
民主党による緊急的な負担減免の提案が通ったとしても、一時的なもの。
結局、いずれにしてもこの制度の下で生きていかなければいけないのです。
ならば、この制度下で、どうしたら自立を支援していくことができるのか、
どうしたらそのポテンシャルを最大限に発揮することができるのか。
支援の仕方を考えていかなければいけません。
企業も、施設も、家族も。ここまでしかできないと、
何もせずにあきらめてしまうばかりでは、
それこそ何も生み出すことができません。
まずは、支援を行う介護職員が信じれなかったら何にもなりませんよね。

記事編集・監修

 

介護福祉ウェブ制作ウェルコネクト

居宅介護支援事業所管理者・地域包括支援センター職員・障碍者施設相談員など相談業務を行う。

現在はキャリアを生かした介護に関するライティングや介護業界に特化したウェブ制作業を行う。

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  • 福岡・星野村にある「星寿園」では、身体に対する虐待の他、食事も一日2回だけ。いくら何でもひどすぎるので、投稿しました。

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