訪問介護元社長を逮捕 報酬1200万円詐取容疑
堺市南区の訪問介護会社「サトーコーポレーション」=04年10月に破産=が無資格のホームヘルパーを高齢者宅に派遣し、同市から介護報酬約1200万円を不正に受給していたとして、大阪府警は22日、同社の元社長佐藤秀次容疑者(77)=堺市南区庭代台2丁=を詐欺容疑で逮捕した。
捜査2課の調べでは、佐藤容疑者は03年3月の1カ月間で、堺市の高齢者ら三百数十人に無資格者約30人を含むホームヘルパー計約80人を派遣し、家事援助や食事介助などをさせた。その上ですべて有資格のヘルパーを派遣したように装って堺市に介護報酬を請求し、同月分の介護報酬計約1200万円を入金させ、だまし取った疑い。
佐藤容疑者は84年、高齢者の家事支援をしたり、病院や買い物先に車で送迎したりする団体を設立し、一時は約1000人のボランティアを抱えていた。99年10月、府の指定を受けて訪問介護事業所「たすけあいセンター」を開設。00年4月の介護保険制度の導入と同時に訪問介護サービス事業を始めた。
介護保険制度では、訪問介護のヘルパーは、介護保険法に基づく研修を修了した有資格者でなければならない。佐藤容疑者は以前からの団体時代のボランティアを引き続き雇い入れ、無資格のまま派遣していたという。
佐藤容疑者はコンピューターソフトの開発、販売業も営み、効率的に介護サービス事業を運営するためのソフトが業界内で知られていた。
ボランティアの一人から「無資格でヘルパーの仕事をしているが構わないのか」と府に問い合わせがあり、発覚。同社が00年4月~03年8月、高齢者1351人に無資格ヘルパー130人を派遣し、堺市など15市町から計約1億円の介護報酬を不正に受け取っていたとして、府は04年3月、事業者の指定を取り消した。さらに加算金を含む約1億4千万円の返還を命じ、同月、佐藤容疑者を府警に詐欺容疑で告発していた。
佐藤容疑者は当時の府の調査に「利用者からこれまでと同じヘルパーに来てほしいと要望があり、無資格者でも派遣してしまった。有資格者の人繰りもつかなかった」などと説明していたという。
ということで、無資格でも派遣してしまったというレベルの話ではないですね。
もともとボランティア団体を母体としていたことから、
その延長上で訪問介護を行なっていたということになります。
ボランティア側も、専門職としての仕事とボランティアとの線引きをすることもできなかったのではないでしょうか。
これは事業者の倫理や法律上の問題だけではなく、
利用者・ヘルパー双方にとっても不幸な結果を招く選択であったわけです。
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