認知症の運転免許保持者、4割が事故経験
認知症で運転免許証を持つ患者83人のうち4割が、接触や追突などの交通事故を起こしていた――。こんな結果が高知大医学部の上村直人・講師(精神医学)らの研究でわかった。1日、東京都内で開かれた日本老年精神医学会で発表された。
厚労省研究班の調査の一環で、95~05年に高知大病院などを受診した83人(平均70.7歳)を調べた。
その結果、34人(41%)が58件の事故を起こしていた。うち人身事故は14件だった。
また認知症の原因によって事故の傾向が異なっていた。
アルツハイマー病では、駐車する時にぶつけたり、自分がどこを走っているかわからなくなって事故を起こしたりする例があった。
前頭側頭葉変性症(FTLD)では、追突や赤信号を無視した右折、人にぶつかってそのまま走り去るなどの事故が含まれていた。
また、調査した患者83人のうち42人が運転免許の更新手続きを取り、全員が成功していた。
道路交通法の改正で、運転に支障がある認知症の人は公安委員会が免許を取り消すことができる。だが、自己申告などを元に判断しているため、処分は年間数十件にとどまる。警察庁は判断能力を検査するシステム作りを検討している。
認知症ドライバー:「信号って何」理解できず事故も--厚労省研究班が調査
先日、NHKのクローズアップ現代で放送していた「認知症ドライバー」の特集は、
非常にインパクトの強いものでした。
地方では運転という方法以外の移動手段が確保できない地域も多く、
高齢者の移動の自由の確保がひとつの課題となりそうですね。
こんな事件も報告されています。
80歳ドライバー、中央道を14キロ逆走 判断能力低下か
5日午前6時20分ごろ、長野県諏訪市湖南の中央自動車道下り線で、逆走中の長野県南牧村の男性飲食店経営者(80)の乗用車が、岐阜県多治見市の男性運転手(29)の大型トラックに衝突、運転手が軽傷を負った。
県警高速隊の調べでは、経営者は同日午前六時ごろ、諏訪湖サービスエリアのガソリンスタンドで給油した後、下り車線に出て約4キロ逆走し、トラックと衝突。さらに約10キロ逆走し、非常駐車帯に止まったという。
経営者は「どこに行こうとしていたか分からない。給油したことも覚えていない」と話しているという。高速隊は高齢で判断能力が低下していたとみており、業務上過失致傷容疑で事情を聴く。
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