ハリケーン、老人ホーム置き去りの32人死亡
ニューヨーク・タイムズ紙など米主要メディアは7日、超大型ハリケーン「カトリーナ」に直撃された米ルイジアナ州ニューオーリンズ近郊の老人ホームで、置き去りにされた高齢者32人が逃げ遅れて死亡したと報じた。
被災地の復旧作業が進むにつれ、想像を上回る被害の悲惨な実態が明らかになってきた。
同紙によると、この老人ホームは、ニューオーリンズ中心部から約30キロ南東のセントバーナード郡にあり、建物の屋根近くまで水没したとみられる。
逃げ遅れた高齢者たちは、テーブルを窓に打ちつけたり、電動車いすでドアを破ろうとしたりして脱出を図ったが、建物を出ることができず、約60人の入所者のうち、32人が逃げ遅れて死亡したという。
ルイジアナ州議会議員のニタ・ハッター氏はAP通信に対して、32人が死亡する前に、ホームの職員は高齢者たちをベッドに置き去りにして建物を出ていたと述べた。
一方、AFP通信によると、ニューオーリンズ郊外で、体を互いに柱に縄でしばりつけた22人もの遺体が発見された。洪水に押し流されないように皆で柱に体をくくりつけたものの、柱ごと流され、濁流にのまれたものとみられている。
ニューオーリンズ市内では排水作業が進められているが、同市の市長は6日、市内に残っている住民約1万人に対して、衛生状態の悪化と安全の確保を理由に市外への強制避難命令を出した。警察や州兵は実力行使はしていないものの、7日から住民に避難するよう働きかけを始めている。
その状況で、自分だったらどうしただろう、
というよりも、何ができただろう。
さまざまなブログでそれぞれに違った反応が見られています。
見殺しにした職員へ対する批判、
危機管理体制の甘さへの指摘、
仕方がないことだったという諦めにも似たコメント、
などなど。
本当にこのような結果が、どうしようもないものだったのかどうかは、
後々明らかにされていくものだと思います。
「置き去り」という酷い表現が適切だったのかどうかも。
アメリカという、きわめて個人主義化された社会のなかで、
こういった状況で、一番苦しむのは間違いなく災害弱者と呼ばれる人たちです。
日本も、これを教訓に危機管理体制を見直さなければいけません。
各施設の危機管理マニュアルや危機管理体制が、
本当に現実的に可能なものか、考えていく必要があります。
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