嚥下機能とコショウの意外な関係。

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コショウを使って誤嚥予防 東北大チームが研究

 高齢者に毎食前、コショウのにおいをかいでもらうだけで、誤って食べ物を気管や肺に吸い込む「誤嚥(ごえん)」の予防が期待できるかも知れない。東北大大学院老年病態学チームが、嚥下(えんげ=飲み込み)反射が改善される効果を確かめた。肺炎の原因になる誤嚥は、高齢者には命にかかわる問題だ。手軽な予防法につながる成果として、近く米老年医学会誌に発表する。
 のどの奥、食道と気管が分かれる部分の働きが衰えた高齢者では、食べ物やつばの誤嚥が増える。健康ならせき込んで排出できるが、そのまま吸い込み肺炎を起こす高齢者も多く、死亡の大きな原因となっている。
 東北大の海老原孝枝医師、荒井啓行教授らは、宮城県内の老人保健施設で70~98歳(平均約85歳)の男女入所者105人を3グループに分け、それぞれ1カ月間、毎食事前に黒コショウのにおいのする精油、ラベンダー精油、水のにおいをかいでもらった。
 食べ物を口に入れてから、嚥下反射が起きるまでの時間を調べたところ、実験前は平均15~17秒だったのが、黒コショウ精油のグループだけが大幅に改善され平均約4秒になった。嚥下運動の回数も増えた。他の2グループでは、大きな変化はなかった。
 チームはこれまで、神経で「サブスタンスP」と呼ばれる物質が少なくなると嚥下反射が低下すること、神経にあるカプサイシン(唐辛子の辛み成分)の受容体を刺激すると嚥下が改善することを確かめており、においの強い黒コショウによる改善効果を調べた。海老原さんは「コショウのにおいが脳に作用し、サブスタンスPが増えたのではないか」とみている。

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記事編集・監修

 

介護福祉ウェブ制作ウェルコネクト

居宅介護支援事業所管理者・地域包括支援センター職員・障碍者施設相談員など相談業務を行う。

現在はキャリアを生かした介護に関するライティングや介護業界に特化したウェブ制作業を行う。

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