駐車違反取り締まりの新制度、悩む福祉関係者
車から離れたら即違反。1日始まった違法駐車取り締まり強化に、福祉団体やボランティアが困惑している。介護施設へのお年寄りの送迎や食事の配達など、現場では短時間の路上駐車が避けられない。「どうやって送迎を続ければいいのか」。福祉団体の全国組織は「福祉関係の車は取り締まりの対象外にしてほしい」と厚生労働省に申し入れた。
自宅にいる高齢者への配食や介護などのボランティア活動を全国で進めているNPO法人「ニッポン・アクティブライフ・クラブ」(本部・大阪市中央区)は、メンバーが車で高齢者宅を回る。「ただいま介護ボランティア活動中」というステッカーにメンバーの携帯電話番号を書き添え、車内に掲示してきた。
これまでは取り締まる前に一度電話をかけてくれる警察官が多かった。運転者が車に戻って説明すれば「できるだけ早く動かして」と注意される程度ですんだ。しかし、新制度では駐車監視員が違反標章を張る間の数分で「アウト」。1万5千円(普通乗用車)の反則金を求められる。
大阪市住吉区の社会福祉法人「ライフサポート協会」は毎日、ボランティアと協会職員計2人で高齢者らを介護施設などに車で送り迎えする。
住宅が密集し、車が入れない路地では、広い道路に車を置いて迎えに行く。車いすを持ち上げるなど2人がかりの作業も多い。場所によっては10分以上車を離れることがあるという。
職員の一人は「車の中で待つ人を加え、3人態勢にしなければいけないかもしれない。人繰りも、人件費の面でも厳しくなる」とこぼす。
新制度下でも身体障害者本人か、その介護者として届け出た人の車は、駐車禁止除外指定車と認定される。同協会は、この認定を受けられないか地元署に問い合わせたが、認められなかった。大阪府警幹部は「福祉関係であっても、ほかの放置駐車車両と同じ。例外にはならない」と話す。
全国の福祉団体でつくる市民福祉団体全国協議会(東京都港区)は4月末、「歩行困難者を乗せる車両は取り締まりの対象外にしてほしい」と厚生労働省に申し入れた。協議会事務局は「介護する側の人々が大変になるだけではない。サービスを受ける高齢者や障害者が最も困る」と訴える。
厚労省の担当者は「こうした声を受け、新制度が福祉の現場に大きな影響が出ることを知った」と話す。当面は全国でどのような影響が出ているかの事例を集め、対策を考えていくという。
今日、さっそく駐車監視員、見ましたよ。
4人プラス警官一人でステッカーをぺたっと貼っていました。
その影響か、近辺はやたらと路上駐車が少なかったですね。国道一号線でしたけど。
これって、路駐が減ることで、どんくらいマイナスの経済効果があるのかって、
試算とか出ていないんでしょうかね。
国道沿いのラーメン屋さんとかどうなっちゃうんでしょう。
いろいろと思うところはありますが、やはり問題は介護関係車両です。
送迎に関しては、実際、それほど車から離れている時間はありませんので、
駐車違反を取られるケースというのは比較的少ないかもしれません。
問題は訪問介護・訪問看護などの訪問系のサービスです。
先日も書きましたが、
介護目的だからといって例外にしてくれるわけではないので、
駐車禁止除外の申請をすることが第一となりそうです。
「やむを得ない駐車」は許可 交番でも標章交付
介護の必要なお年寄りの送り迎えや業務での駐車が必要な車についても、地理的な事情などでどうしても駐車場を確保できない場合などは、「やむを得ないケース」に当てはまるという。各警察署で、その場所に駐車しなければならない必要性や他の交通に与える妨害の程度などを判断した上で許可車標章が交付される。交通規制課は「やむを得ない場合とはいえ、許可には一定の条件がある。まずは警察署に相談を」と呼びかけている。
「やむを得ない」とされなかったらどうするんでしょうね。
駐車場を持っていないお宅以外は訪問しません、ってわけにはいかないんですけどね。
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