4日間に3人死亡 介護福祉士の男逮捕の施設
埼玉県春日部市の高齢者介護施設で平成22年2月、4日間で入所者3人が死亡していたことが23日、県警などへの取材で分かった。3人はいずれも病死とされており、県警は経緯を慎重に調べている。
県警春日部署は22日、別の女性入所者を殴ってけがをさせたとして、傷害の疑いで、同県松伏町松伏の介護福祉士、大吉崇紘容疑者(29)を逮捕。春日部署は大吉容疑者から詳しく事情を聴いている。
県警によると、3人が死亡したのは、同市一ノ割の高齢者介護施設「フラワーヒル」。平成22年2月15~18日の4日間に入所者の女性3人が死亡し、1人がけがをした。
同署によると、4人の異変を施設に報告したのは、いずれも大吉容疑者だったという。3人は同施設の理事長が経営する病院に搬送され、死因はいずれも病死とされた。施設から「虐待の疑いがある」と連絡を受けた市の高齢介護課が20日夜、春日部署に報告。同署が捜査に乗り出した際には遺体はすでに火葬されていたという。
大吉容疑者の逮捕容疑は平成22年2月17日に当時入所中の女性(84)の胸などを殴ったとしている。同署によると、「いらいらしてやった」と容疑を認めているという。女性は胸やあごを内出血するなど全治1カ月のけがを負った。
大吉容疑者は同年2月13日に同施設で勤務を開始したが、同月19日に履歴書に虚偽の内容があったとして依願退職していた。
勤務していた日数は平成22年2月13日から19日までという本当にわずかな期間だったのですが、全治一か月にもなる入所者の虐待行為があり、
相次いで3人が亡くなるという不可解な状況が起きています。
別の記事では、その入所者の死因についてはこのように掲載されています。
死亡した3人は、施設に関連する病院の嘱託医が診断し、死因はそれぞれ「急性心筋梗塞」「脳梗塞」「胸部大動脈瘤破裂」とされている。
死因については急性心筋梗塞や脳梗塞などと診断されているということですが、
たとえば何らかの外傷があったのかどうかもわかりません。
胸部大動脈瘤破裂に関しては外傷との関係がありそうですが。
法人理事長が運営している病院に搬送され、解剖前に火葬されているため、
もしそこに虐待の事実などを証明づけるものがあったとしても、
それが公になることは避けられていたのかもしれません。
退職の理由は虐待などによるものではなく、
履歴書に虚偽の内容があったためということ自体がおかしな話です。
そして、この事件で一番驚かされたことは、
この職員が逮捕直前まで、別の高齢者施設に勤務していたということです。
けがをした女性は今年1月、病気で死亡。同署は今月22日に介護福祉士を逮捕した。「イライラしてやった」と容疑を認めている。逮捕時、別の高齢者介護施設で働いていた。
不審死と虐待とを結びつける明確な証拠がなかったからなのかもしれませんが、
それでも本人は虐待の行為を認めているなかで、
同じ介護の仕事を介護福祉士として続けているということです。
これを聞いて、不安な気持ちを持つ
介護保険サービスの利用者もきっと多数いらっしゃるのではないでしょうか。
虐待という事実の重みを、もう一度社会全体が再認識しなければいけないのではないでしょうか。
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