特養入所がすぐ必要、申込者の10分の1- 医療経済研究機構が調査
特別養護老人ホーム(特養)に入所を申し込んでいる人のうち、すぐに入所が必要と判断される人は10分の1程度であることが、医療経済研究機構の「特別養護老人ホームにおける入所申込の実態に関する調査研究」で分かった。また自由記述からは、施設にとって申込者の情報管理が負担になっている実態も明らかになった。
調査は今年2月、全国の特養1500施設を対象に実施。具体的には、▽施設の概況などについて施設長や事務責任者が回答した「施設調査」(回収数は592施設)▽入所申込者の個別の状況について施設の担当者が回答した「入所申込者調査」(同570施設、7998人分)―などを行った。
その結果、「施設調査」において、施設側が「ベッドの空き状況や待機状況に関係なく、優先して入所させるべき」と回答した申込者の数は、1施設当たり23.9人。1施設当たりの入所申込者数(220.0人)に占める割合は10.8%だった。また、「入所申込者調査」で、「現在の生活は困難であり、すぐにでも入所が必要」と判断された人の割合は11.3%となり、いずれの調査でも、特養への入所がすぐに必要と判断される人は、申込者全体の10分1程度との結果が出た。
そのすぐに入所が必要と判断するのは特養側の見方であって、
実際、家族や当人がどれだけ切迫している状況なのかはまた違うのかもしれません。
精神的な負担感や介護疲れで、
それが虐待であったり経済的困難であったりという表面的な形に出ていないケースが
短いヒアリングの中でどこまで確認し切れているのかというと、疑問ですし、
この調査結果の意図する部分というのが見えてしまいます。
確かに、特養は入所待ちが当たり前だから早いうちに申し込まないとという意識が強く、
それが待機者数として表れているわけで、
「順番待ち」ではないといいながらも、場所によっては申込からの期間を
入所の優先度をつける基準のうちのひとつに採用しているところもあるようです。
だからといって、
在宅でも安心して生活できるシステムができれば
特養の入所待機者の問題は解決するとは思いません。
改正介護保険法が施行されても、施設人気というのは結局変わらないでしょうね。
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