県対市。田辺市の要介護認定を巡る裁判、その行方は?

要介護認定訴訟:「県保険審の見直し裁決不当」 田辺市が県を提訴 /和歌山

 田辺市が行った要介護認定格下げについて、県介護保険審査会が見直しを命じる裁決を下したのは不当として、市が県を相手取った裁決取り消し訴訟が和歌山地裁に提訴された。介護保険制度が始まってまもなく11年。市が県を訴える異例の裁判が起きた背景には、社会の高齢化に伴い、介護認定に異議を唱える要介護者の増加もあるようだ。
4月19日付で提訴された。訴状などによると、要介護者の女性は04年12月、市に「要介護2」と認定されたが、10年の更新で「1」に格下げされた。女性は10年7月、審査請求し、介護保険審査会は同年10月、女性の請求を認めた。ところが市は裁決に従わず「裁決には要介護1の判断が誤りかどうか示されていない。意味不明で不親切だ」と主張する。
要介護認定をめぐる審査請求は06、07年に急増した。県長寿社会課によると、審査請求の件数は00年~05年は10件未満だったが、06年26件、07年48件、08年24件と膨れあがった。昨年は12件だったが、県の担当者は「介護利用者が増え、(認定内容にも)関心が高まっている」と推測する。
審査会による請求認容もかつてはゼロ続きだったが、06年から毎年1~3件が認められている。ある市の担当者は「財政力が自治体ごとに異なる。認定基準にもばらつきがある」とも打ち明けた。
田辺市やすらぎ対策課は「基準に沿って認定している。介護保険審査会は介護保険を熟知しているのか」と強気。これに対して、県側は「基準に照らして粛々と判断している。制度がある以上、今後も変わらない」としている。

同じ人を、同じ調査の内容を見て、どうして認定があれこれ変わるののか。
全国一律平等を唱えてスタートしたはずの介護保険。
介護保険の利用者が増えたことではなく、
要介護認定の信頼が失われているということが、
今回のような審査請求の増加につながっているかと思われます。
ただ、要介護2から要介護1に「格下げ」したと、普通に表現されているのですが、
この格下げという考え方自体どうなのかなという気がします。

記事編集・監修

 

介護福祉ウェブ制作ウェルコネクト

居宅介護支援事業所管理者・地域包括支援センター職員・障碍者施設相談員など相談業務を行う。

現在はキャリアを生かした介護に関するライティングや介護業界に特化したウェブ制作業を行う。

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