介護保険:利用者負担増を断念 政府方針
政府は20日、12年度の介護保険制度改革で、厚生労働省案に盛り込まれていた高所得者の自己負担割合引き上げなどの利用者負担増を断念する方針を固めた。来年の通常国会に提出する予定の関連法案には含めず、11年度末と定めている介護療養病床(約8万6000床)の廃止期限先送りなど必要最小限の法改正にとどめる。社会保障審議会介護保険部会(厚労相の諮問機関)での根強い反対論に加え、来春の統一地方選への影響を懸念する民主党からも異論が出ているためだ。
高齢化に伴い、65歳以上の平均月額保険料(4160円)は、このままでは12~14年度に約5200円にアップする見通し。厚労省は保険料の急増を抑えるため、同介護保険部会に▽ケアプラン作成の有料化▽年収320万円以上の高所得者や、介護の必要度が低い人の自己負担割合アップ▽介護施設の相部屋入居者からの室料徴収--など、利用者の負担増に直結する案を示していた。
しかし、民主党は強く反発しており、見直しを求める提言をまとめる方針。このため厚労省は一連の負担増案を断念した。財政難に備えて積み立てている基金を取り崩せば最大280円の保険料引き下げが可能で、基金を使って平均保険料を5000円未満に抑える考えだ。
このほか、厚労省は給与水準が高い企業、従業員らからより多くの保険料を徴収し、介護職員の処遇改善に充てる意向だったが、これも見送る。来年提出予定の法案は介護職員によるたん吸引を可能とすることや、24時間対応の訪問サービス導入などにとどめる
弱腰な民主党に救われたような印象ではありますが、
ただ、それをただ喜んでいるわけにはいきません。
今後も介護保険には財源の問題が当然ついて回るわけなので、
問題が先送りになったというだけのこと。
もちろんケアプラン有料化や高額所得者自己負担2割で
抜本的な解決になるわけではないでしょうけれど。
加えて言えば、今回も選挙対策の「その場しのぎ」で
介護保険をどのように運営していくのかという方向性も薄れてしまっていますよね。
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