要介護「非該当」、新規申請で倍増 4月の認定見直し後
介護保険のサービス利用に必要な要介護認定のしくみが4月に見直された結果、初めて認定申請した人がサービスを利用できない「非該当」と認定される割合が、前年より2倍に増えたことが13日、わかった。新認定の検証作業を進めている有識者らの検討会で、厚生労働省が公表した。
集計されたのは、4、5月に全国の市町村から報告があった約23万6千人の結果。4月の改定では、コンピューターで分析する1次判定で調査項目が変更され、訪問調査員が必要な介護を推量して判断することをやめたため、認知症などの場合、軽度に認定される懸念が指摘されていた。
新規申請(約5万9400人)では、介護の必要度を段階的に分けた要介護度別にみると、「非該当」と判定された人が5%で、前年同期の2.4%から倍増した。過去4年分の平均3.1%と比較しても高い結果となった。軽度(非該当~要介護1)は64.5%で前年より3.6ポイント増。中・重度(要介護2~5)は35.5%と前年より3.5ポイント減った。
一方、これまでに認定を受けていた更新者(約16万3700人)については、希望すれば従来通りの要介護度を維持できる経過措置がとられている。その結果、要介護度は、軽度が前年を0.2ポイント下回る48.9%となった。
1次判定の結果を前年と比べると、更新者の場合、軽度の割合が57.7%で3.7ポイント増え、中・重度が減少した。
この日の検討会では、経過措置について、自治体関係者から「介護保険制度の信頼性が低下した」「認定の不信感を招くばかり」などの批判が相次いだ。
要介護認定の基準は変わらないと主張してきた厚生労働省ですが、
結果は予想通り、自立判定・軽度判定が続出するというものでした。
基準が変わったことで、それまでに認定を受けていた人は経過措置を利用すれば、
現在の状態に関わらず従来どおりのサービスを受けることができる。
それなのに、新規に認定を申請する人には要支援・要介護のハードルはきわめて高くなっている。
全国一律公平を理念としてきた介護保険制度にあるまじき姿ではないでしょうか。
もちろん、問題は新規利用者だけに限られたものではありません。
状態が悪化し、区分変更が必要になった方が認定を受けても、
逆に結果が軽度に判定されるというケースも続出しています。
区分変更では経過措置は利用できないので、
この場合、さらにサービス利用が苦しい状況になります。
要介護・要支援の基準はどこにあるのか。
制度の信頼性にも関わる問題であり、
この問題を先延ばしにすることは許されませんね。
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