埼玉のNPO、介護給付費を不正受給 被害1億円超か
介護給付費など約1億1700万円を不正受給したとして、埼玉県は、同県久喜市の特定非営利活動法人(NPO法人)「エイム福祉サポート」と有限会社「エイム」について、障害者自立支援法などに基づく事業者指定を取り消した。4月末までに施設の閉鎖を求めている。
このNPO法人と会社は久喜市と同県騎西町の3カ所で施設を運営し、現在の利用者は障害のある児童ら計49人。利用者の住所地で介護給付費などを負担した同市や加須市など県内の12市町が、加算金を含む計約1億5000万円の返還を請求し、埼玉県警と対応を協議している。
県によると、NPO法人と会社は、障害のある児童らを対象とするデイサービスや居宅介護などを一体的に運営。平成18年4月から昨年10月にかけ、実際には提供していないサービス分についても介護給付費を請求していた。
規模で考えると、この不正額というのは大きいですね。
障害者自立支援法では、応益負担の原則を取りながらも、
その生活状況から事故負担金がゼロになるケースも多く、
こういった不正も容易にできたり発覚しにくいという面もあるかもしれませんね。
もちろん、障害者自立支援法ではケアマネがおらず、
行政によるチェックが十分に機能していないという点はこれから改善していく必要がありそうですね。
続報:回収不能で久喜市6662万円の債権放棄
(追記 2023年9月)
続報としてこのようなニュースがありましたので掲載します。
回収不能と判断…久喜市、6662万円の債権放棄 福祉サービス事業者の不正受給、事業者はすでに破産、整理
2006~08年、福祉サービス事業者が介護給付費などを不正受給した問題で、埼玉県久喜市は23日、不正請求による損害賠償金、遅延損害金などの債権約6662万を放棄すると発表した。
事業者は、当時障害児向けデイサービスなどを展開していた福祉サービス業「エイム」と同じ代表が運営していたNPO法人「エイム福祉サポート」(いずれもすでに閉鎖)。当時、高額な不正請求事件として、県が障害者福祉サービス事業者の指定を取り消すなど問題となった。
市によると、同事業者が虚偽の記録を作成、架空の介護給付費を請求するなど、不正に介護給付費を受給。被害は、合併前の旧久喜市、鷲宮町、菖蒲町で計6407万円に及んだ。
市は「エイム」が破産、整理した際、2524万円を回収。その後、返済は滞り、残金と遅延損害金、利子が市の債権となっていた。市は一連の手続きを経て、回収は不能と判断。市の債権管理条例を踏まえ、放棄を決定した。
埼玉新聞より
不正請求の1億1700万円。この金額は不正請求の金額としてはかなり大きく、注目されましたが、6662万円が返ってこなかったという結果に至りました。
ここまで金額が膨れ上がるまでチェックが行き届かなかったというのは、ちょっと行政側の甘さが感じられますね。結果、返ってこなかった不正請求額は市民が負担することになります。
ここまで大きな金額で気が付かなかったというのは、あきらかに行政の怠慢と言えます。障害のケースワーカーや担当部署もこれだけの請求が続いているのであればわかるはずです。
今は障害の分野でも相談支援の枠組みなどが確立されているので、ある種のチェックが働くことは期待できます。ただ、相談支援・特定相談は行政のチェック機能のために都合よく使うのは勘弁していただきたいなと感じます。
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