老人ホーム、無届け15% 行政監視追いつかず
都道府県に設置の届け出をしていない有料老人ホームが全体の約15%に上ることが、総務省の行政評価で分かった。都道府県が存在を把握していない施設も見つかり、実際の無届け施設はさらに多いとみられる。こうした施設には、行政による監視が十分に行き届かないおそれがあることから、総務省は5日、厚生労働省に改善を勧告する。
有料老人ホームは、老人福祉法で都道府県への設置届け出が義務づけられている。総務省が22都道府県を選んで調べたところ、07年4月時点で都道府県が有料老人ホームとみなしている2345施設のうち、無届けは14都道府県の353施設。東京が80、埼玉が68、神奈川58、千葉47など都市部が大半だった。
一方、総務省が施設のホームページや広告などを調べたところ、都道府県が把握していない有料老人ホームが17あることもわかった。
届け出がないと、施設の規模や設備、職員の配置などの情報を把握できないため、都道府県の基準を満たしていなくてもそのまま放置することになりかねない。また、入居者の虐待など問題が起きた時も対応が遅れる恐れがあるという。
有料老人ホームは「入居者が10人以上で、食事を提供している」との基準が06年4月に緩和され、入居者数に関係なく食事または介護、洗濯などのサービスを提供していれば有料老人ホームとみなされるようになった。こうした小規模施設を中心に、職員数や設備が基準に満たず、満たすには費用がかかるため、届け出ない例が多いとみられる。
無届け施設を巡っては、06年に千葉県で入所者をベッドに拘束して虐待していた疑いが浮上したほか、前払いした入居金を退去時に返さないといった問題が相次いでいる。
無届け施設が最多だった東京都の高齢社会対策部は「基準を満たすように施設を改善し、早急に届け出をするように継続的に指導する」としている。
高齢者の住まいも多様化してきています。
一言に有料老人ホームといっても、その生活の質や介護の内容など、大きな違いがあります。
有料老人ホームというひとつの枠組みの中の基準で管理するというのも難しいのかもしれませんね。
高齢者の望む生活の実現できる住まいを提供できるよう、
多様性の中にもサービスの質の確保が求められますね。
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